福岡のボーナスの平均は年約89万円。業種で約4倍、会社の規模で約1.9倍の差

「自分のボーナスは、福岡で見て多いのか少ないのか」。夏や冬の支給の時期になると、同僚や友人と比べたくなる数字です。ただ、ボーナスは業種や会社の規模で大きく変わるので、全体の平均と比べるだけでは判断を誤ります。
結論から言うと、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2025年)で、福岡県のフルタイムで働く人のボーナス(年間賞与その他特別給与額)の平均は年約89万円です。月給(残業代を含まない所定内給与)の約2.8か月分にあたります。ただし業種によって約4倍、会社の規模によって約1.9倍の開きがあります。この記事では、その差を業種・規模・年代・男女に分けて見ていきます。
- 福岡のボーナスの平均と、読むときの3つの注意
- 九州・全国と比べると、「月給の何か月分」はほぼ同じ
- 業種で約4倍の差がある
- 会社の規模で約1.9倍、業種によっては約3倍
- 年代と男女で見ると
- ボーナスの手取りはどのくらいか
- 転職でボーナスを比べるときのポイント
- よくある質問
- 平均ではなく、業種と規模をそろえて比べる
福岡のボーナスの平均と、読むときの3つの注意
福岡県のボーナスの平均は、1人あたり年約89万円(89万900円)です。全国平均(約101万円)より約12万円低く、東京(約140万円)の6割強の水準です。
この数字を自分と比べる前に、知っておきたい注意が3つあります。
1つめは、2025年の調査で集めた「前年(2024年)1年間」の支給額だということです。夏と冬の賞与に、決算賞与などの特別な給与も合計した年額で、夏と冬に分けた数字は公表されていません。
2つめは、1人あたりの平均だということです。前の年に在籍していなかった人(新卒1年目など)や、支給額が少なかった人も含めた平均なので、毎年きちんと受け取っている人の実感よりは低めに出ます。とくに20代前半の数字は、この影響を強く受けます。
3つめは、対象がフルタイムの一般労働者(パート・アルバイトを除く)で、従業員10人以上の企業だということです。10人未満の会社は含みません。
九州・全国と比べると、「月給の何か月分」はほぼ同じ
ボーナスの額を、九州の他の県・全国・東京と並べます。
| 地域 | 年間賞与 | 月給(所定内給与) | 月給の何か月分 |
|---|---|---|---|
| 東京 | 約140万円 | 約41.8万円 | 約3.3か月 |
| 全国 | 約101万円 | 約34.1万円 | 約3.0か月 |
| 福岡 | 約89万円 | 約31.4万円 | 約2.8か月 |
| 熊本 | 約80万円 | 約29.1万円 | 約2.8か月 |
| 佐賀 | 約79万円 | 約28.0万円 | 約2.8か月 |
| 鹿児島 | 約77万円 | 約28.9万円 | 約2.7か月 |
| 長崎 | 約77万円 | 約28.5万円 | 約2.7か月 |
| 大分 | 約75万円 | 約29.5万円 | 約2.5か月 |
| 宮崎 | 約66万円 | 約26.8万円 | 約2.5か月 |
(「月給の何か月分」は、前年の年間賞与を2025年6月の所定内給与で割った目安です。月給も賞与も、それぞれの地域の平均です)
福岡のボーナスは九州で最も多いものの、月給に対する比率で見ると約2.8か月分で、熊本や佐賀とほぼ同じです。つまり福岡のボーナスが多いのは「月給の何か月分」の違いではなく、もとの月給が高いからです。全国平均との差(約3.0か月分と約2.8か月分)も、それほど大きくはありません。
業種で約4倍の差がある
ボーナスの差が最も大きく出るのは業種です。福岡県の業種(産業大分類)別に並べると、次のようになります。
| 業種 | 年間賞与 | 月給の何か月分 |
|---|---|---|
| 建設業 | 約147万円 | 約4.0か月 |
| 学術研究・専門・技術サービス業 | 約130万円 | 約3.4か月 |
| 教育・学習支援業 | 約124万円 | 約3.3か月 |
| 金融業・保険業 | 約123万円 | 約2.9か月 |
| 情報通信業 | 約123万円 | 約3.3か月 |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 約117万円 | 約2.5か月 |
| 複合サービス事業(郵便局・農協など) | 約111万円 | 約3.6か月 |
| 製造業 | 約100万円 | 約3.3か月 |
| 卸売業・小売業 | 約97万円 | 約3.1か月 |
| 不動産業・物品賃貸業 | 約94万円 | 約3.0か月 |
| 運輸業・郵便業 | 約73万円 | 約2.5か月 |
| 医療・福祉 | 約67万円 | 約2.3か月 |
| 生活関連サービス業・娯楽業 | 約60万円 | 約2.1か月 |
| サービス業(他に分類されないもの) | 約52万円 | 約1.9か月 |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 約36万円 | 約1.4か月 |
(鉱業は対象者が約290人と少ないため除きました)
最も多い建設業(約147万円)と最も少ない宿泊業・飲食サービス業(約36万円)では、約4倍の差があります。建設業は月給の約4.0か月分で、比率でも最も高い業種です。
同じ「卸売業・小売業」の中でも、卸売業は約126万円、小売業は約65万円と、2倍近く違います。働く人の多い医療・福祉は約67万円で、全体の平均(約89万円)を下回ります。
会社の規模で約1.9倍、業種によっては約3倍
次に、会社の規模(企業全体の常用労働者数)で分けます。
| 規模 | 福岡 | 全国 |
|---|---|---|
| 1000人以上 | 約118万円 | 約141万円 |
| 100〜999人 | 約87万円 | 約92万円 |
| 10〜99人 | 約64万円 | 約65万円 |
福岡では、1000人以上の企業(約118万円)と10〜99人の企業(約64万円)で約1.9倍の差があります。全国と比べると、中小企業どうしではほぼ同じ(約64万円と約65万円)で、差が開いているのは大企業です。福岡の大企業のボーナスは、全国の大企業より約23万円少なくなっています。
業種と規模を組み合わせると、差はさらに開きます。情報通信業では1000人以上が約210万円、10〜99人が約74万円で約2.8倍です。卸売業も1000人以上が約228万円、10〜99人が約73万円で約3.1倍の開きがあります。一方で小売業は、1000人以上(約47万円)が10〜99人(約55万円)より少なく、規模が大きいほど多いとは限りません。企業規模による待遇の差は大企業と中小企業の待遇差でも確認できます。
年代と男女で見ると
福岡県のボーナスを年代別に見ると、年齢とともに増え、50代で最も多くなります。
| 年代 | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 約42万円 | 約45万円 | 約38万円 |
| 25〜29歳 | 約68万円 | 約74万円 | 約60万円 |
| 30〜34歳 | 約79万円 | 約93万円 | 約58万円 |
| 35〜39歳 | 約92万円 | 約110万円 | 約63万円 |
| 40〜44歳 | 約103万円 | 約121万円 | 約71万円 |
| 45〜49歳 | 約103万円 | 約127万円 | 約70万円 |
| 50〜54歳 | 約116万円 | 約141万円 | 約75万円 |
| 55〜59歳 | 約116万円 | 約144万円 | 約70万円 |
| 60〜64歳 | 約79万円 | 約93万円 | 約55万円 |
20〜24歳が少ないのは、前に書いたとおり、前の年に入社していなかった人や、入社1年目で満額が出ていない人を含むためです。
男女で見ると、男性の平均は約107万円、女性は約62万円で、女性は男性の約6割です。男性は50代まで増え続けるのに対し、女性は30代以降、約58〜75万円の範囲でほぼ横ばいになります。月給の差に加えて、ボーナスの差が年収の男女差を広げていることがわかります。
ボーナスの手取りはどのくらいか
ボーナスからも、月給と同じように社会保険料と所得税が差し引かれます。福岡で協会けんぽに加入している40歳未満の人なら、2026年度の料率で、本人が負担する社会保険料は次のとおりです。
| 項目 | 本人負担の率 |
|---|---|
| 健康保険(協会けんぽ福岡支部) | 5.055% |
| 厚生年金 | 9.15% |
| 雇用保険 | 0.5% |
| 子ども・子育て支援金 | 0.115% |
| 合計 | 14.82% |
たとえば1回45万円のボーナスなら、社会保険料は約6万7,000円です。40歳以上は介護保険料(本人負担0.81%)が加わり、約7万円になります。これに加えて、前の月の給与額や扶養家族の数で決まる率で所得税が差し引かれるため、手元に届くのは額面のおおむね8割弱です。
ボーナスの額面だけを見て支出の計画を立てると、振り込まれた額との差に驚くことがあります。年収全体の手取りは福岡の手取り早見表で確認できます。
転職でボーナスを比べるときのポイント
ボーナスを基準に会社を比べるときは、次の3点を意識すると判断がぶれにくくなります。
1. ボーナスだけでなく、年収で比べる。ボーナスが少なくても月給が高ければ、年収では逆転することがあります。ボーナスがない会社をどう見るかはボーナスがない会社はやばいのかで詳しく扱っています。
2. 「賞与○か月分」の基準を確かめる。求人票の「賞与○か月分」は、手当を含まない基本給を基準にしていることが多く、この記事の「所定内給与の何か月分」とは基準が違います。同じ「3か月分」でも、基本給が低ければ額は小さくなります。
3. 業績で変わる部分を確かめる。ボーナスは業績に連動して増減することが多く、前年の実績が翌年も続くとは限りません。面接で「過去数年の支給実績」を聞くと、変動の大きさがわかります。
福岡の業種別の年収は福岡の業種別年収ランキング、年代別・男女別の年収の全体像は福岡の平均年収にまとめています。
よくある質問
Q. 福岡のボーナスの平均はいくらですか?
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2025年)で、福岡県のフルタイムの一般労働者の年間賞与の平均は約89万円です。これは2024年1年間の支給額で、夏と冬などを合わせた年額です。
Q. 夏と冬のボーナスはそれぞれいくらですか?
この統計では年間の合計しか公表されていないため、夏と冬に分けた金額はわかりません。年2回支給の会社なら、単純に半分にすると1回あたり約45万円ですが、夏と冬で支給額が違う会社も多くあります。
Q. 20代のボーナスはいくらですか?
20〜24歳は約42万円、25〜29歳は約68万円です。20代前半は、前の年に入社していなかった人や満額が出ていない人を含むため、実際に毎年受け取っている人の額より低めに出ます。
Q. 大企業と中小企業でどのくらい違いますか?
福岡では、1000人以上の企業が約118万円、10〜99人の企業が約64万円で、約1.9倍の差があります。業種によっては差がさらに大きく、情報通信業では約2.8倍、卸売業では約3.1倍です。
平均ではなく、業種と規模をそろえて比べる
福岡のボーナスの平均は年約89万円ですが、業種で約4倍、会社の規模で約1.9倍の差があります。自分のボーナスが多いか少ないかは、全体の平均ではなく、同じ業種・同じ規模の会社の数字と比べてはじめて判断できます。
そしてボーナスは、年収の一部にすぎません。ボーナスの多さだけで会社を選ぶより、月給・ボーナス・働き方を合わせた全体で比べることが、納得のいく選び方につながります。

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