福岡の女性の年収は約380万円。男性との差が30代から開く理由と、差を縮める選び方

「同じように働いてきたのに、同年代の男性と年収がこんなに違うのはなぜか」。福岡で働く女性から、よく聞く疑問です。
結論から言うと、福岡県でフルタイムで働く女性の平均年収は約380万円で、男性(約523万円)の約7割です(厚生労働省 賃金構造基本統計調査2025年から計算)。ただし、この差は最初からあるわけではありません。20代前半ではほぼ同じで、30代から急に開き、50代では200万円以上になります。差の中身は、①女性の年収が30代以降ほとんど上がらないこと、②正社員で働く女性の割合が年齢とともに下がること、③働いている業種の偏り、の3つに分けられます。この記事では、その3つをデータで確かめ、差を縮めるために選べることを整理します。
- 福岡の女性の年収は約380万円
- 差は30代から開く
- 正社員で働く女性の割合は、年齢とともに下がる
- 業種で年収は100万円以上違う
- 大企業に移っても、女性の年収はあまり変わらない
- 差を縮めるために選べること
- よくある質問
- 平均の差は、選び方で変えられる部分がある
福岡の女性の年収は約380万円
数字は、賃金構造基本統計調査(2025年、2026年3月公表)から計算しています。対象は民間企業のフルタイムの一般労働者(パート・アルバイトは含まない)で、企業規模10人以上です。年収は、このサイトの他のデータ記事と同じく所定内給与(残業代を含まない月給)×12+年間賞与の推計です。
| 地域 | 女性 | 男性 | 女性÷男性 |
|---|---|---|---|
| 福岡県 | 約380万円 | 約523万円 | 約73% |
| 全国 | 約415万円 | 約567万円 | 約73% |
| 東京都 | 約522万円 | 約713万円 | 約73% |
福岡の女性の年収は、全国の女性より約35万円低い水準です。ただし男性との比率はどこもほぼ同じで、約73%です。「福岡だから女性の年収が特別低い」というより、全国共通の男女差の構造が福岡にもそのままある、と見るのが正確です。
なお、このサイトの他の記事では2023年調査の数字(福岡県の女性 約358万円)を使っているものがあります。2025年調査では同じ計算で約380万円です。数字の違いは調査年の違いによるものです。
差は30代から開く
年代別に見ると、差がどこで生まれているかがはっきりします。
| 年齢 | 女性 | 男性 | 差 | 女性÷男性 |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 約324万円 | 約333万円 | 約9万円 | 97% |
| 25〜29歳 | 約368万円 | 約397万円 | 約30万円 | 93% |
| 30〜34歳 | 約371万円 | 約465万円 | 約94万円 | 80% |
| 35〜39歳 | 約382万円 | 約518万円 | 約136万円 | 74% |
| 40〜44歳 | 約403万円 | 約560万円 | 約156万円 | 72% |
| 45〜49歳 | 約399万円 | 約583万円 | 約184万円 | 68% |
| 50〜54歳 | 約411万円 | 約627万円 | 約215万円 | 66% |
| 55〜59歳 | 約401万円 | 約634万円 | 約232万円 | 63% |
20代前半では、女性は男性の97%で、差は約9万円しかありません。ところが30代前半で80%、40代前半で72%、50代前半では66%まで下がります。
差が開く理由は、男性の年収が上がり続けるのに対し、女性の年収は30代以降ほとんど上がらないことです。25〜29歳から50〜54歳にかけて、男性は約229万円上がりますが、女性は約44万円しか上がりません。女性の年収カーブは、30代前半の約371万円から、50代でも400万円前後にとどまります。
この表はフルタイムで働いている人だけの数字です。パートに移った人の低い年収で平均が下がっているのではなく、フルタイムで働いている女性の間でも、年収が伸びにくいことを示しています。役職に就く人が男性に偏っていることが大きな要因と考えられます。福岡の女性管理職の実態は福岡の女性管理職比率でまとめています。
正社員で働く女性の割合は、年齢とともに下がる
もうひとつの要因は、働き方そのものの変化です。ここからは、パートや自営業も含めて働く人全体を調べた総務省の就業構造基本調査(2022年)の数字です。賃金構造基本統計調査とは調べ方も時点も違うため、上の表の年収と直接は比べないでください。
福岡県で働く女性は約125万人。そのうち正社員は約41%、パート・アルバイトなどの非正規は約50%です。
正社員と非正規を合わせた人のうち、正社員の割合を年齢別に見ると次のとおりです。
| 年齢 | 女性の正社員の割合 | 男性の正社員の割合 |
|---|---|---|
| 25〜29歳 | 67.5% | 79.8% |
| 30〜34歳 | 57.7% | 84.5% |
| 35〜39歳 | 54.9% | 89.6% |
| 40〜44歳 | 46.1% | 89.9% |
| 45〜49歳 | 49.2% | 89.9% |
| 50〜54歳 | 43.2% | 91.2% |
女性は20代後半では約3人に2人が正社員ですが、40代では半分を下回ります。男性は逆に、年齢とともに正社員の割合が上がり、9割前後になります。
正社員として働く福岡県の女性の年収(主な仕事からの年間収入)を見ると、真ん中の人(中央値)は約315万円(推計)でした。年代別には20代で約279万円、30代で約318万円、40代で約338万円、50代で約371万円(いずれも推計)で、年齢とともに上がってはいますが、上がり方は緩やかです。
一度正社員を離れると、戻るのは簡単ではありません。この表は、30代での働き方の選択が、その後の年収に長く影響することを示しています。
業種で年収は100万円以上違う
3つ目の要因は業種です。賃金構造基本統計調査(2025年)で、福岡県でフルタイムで働く女性がどの業種にいて、年収がいくらかを並べました。
| 業種 | 女性の年収 | 女性のうちこの業種で働く人の割合 |
|---|---|---|
| 金融業・保険業 | 約491万円 | 4.2% |
| 教育・学習支援業 | 約457万円 | 4.3% |
| 学術研究・専門技術サービス業 | 約447万円 | 2.4% |
| 建設業 | 約435万円 | 2.6% |
| 情報通信業 | 約410万円 | 2.7% |
| 運輸業・郵便業 | 約399万円 | 3.9% |
| 医療・福祉 | 約388万円 | 39.2% |
| 卸売業・小売業 | 約357万円 | 13.2% |
| 製造業 | 約352万円 | 8.6% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 約312万円 | 10.8% |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 約278万円 | 2.7% |
目を引くのは、福岡でフルタイムで働く女性の約4割が医療・福祉にいることです。医療・福祉の女性の年収は約388万円で、女性全体の平均とほぼ同じです。一方、金融・教育・専門サービスでは450〜490万円台と、平均より70〜110万円高くなります。
業種の違いは、個人の努力で埋めにくい差です。同じ事務職でも、金融機関の事務と、小売業の事務では給与テーブルが違います。業種ごとの福岡の年収水準は福岡の業種別年収ランキングで確かめられます。
大企業に移っても、女性の年収はあまり変わらない
意外なのは、企業規模による差です。
| 企業規模 | 女性 | 男性 |
|---|---|---|
| 1000人以上 | 約407万円 | 約626万円 |
| 100〜999人 | 約378万円 | 約506万円 |
| 10〜99人 | 約358万円 | 約438万円 |
男性は、1000人以上の企業と10〜99人の企業で約188万円の差がありますが、女性では約49万円しかありません。大企業で年収が上がる効果は、男性にはっきり出て、女性には小さく出ます。
大企業ほど役職の階層が深く、上の役職は男性が多いことが理由のひとつと考えられます。「大企業に移れば年収が上がる」という一般論は、女性の場合はそのまま当てはまりません。会社の大きさより、その会社で女性がどこまで昇進しているか、同じ職種の女性が何年目でいくらもらっているかを確かめたほうが、判断の役に立ちます。福岡の企業の女性活躍の届出データは働く女性のデータで見られます。
差を縮めるために選べること
ここまでのデータから、女性が年収の差を縮めるために選べることを整理します。
1. 正社員の立場をできるだけ手放さない。正社員の割合が下がる30〜40代が分かれ目です。時短勤務や在宅勤務など、正社員のまま働き方を調整できる会社かどうかは、年収への影響が大きい判断材料になります。
2. 業種を選ぶ。同じ職種でも、金融・教育・専門サービス・情報通信の業種は女性の年収が高い傾向があります。職種を変えずに業種を変える転職は、30代でも現実的な選択肢です。
3. 会社の大きさより、その会社の女性の昇進実績を見る。大企業でも女性の年収が上がりにくい構造があるため、管理職に占める女性の割合や、女性の勤続年数を確かめます。
4. 年収カーブが伸びる職種を選ぶ。年齢とともに給料が上がる仕組み(等級制度・資格手当など)がある職種かどうかを確かめます。
自分の年収が、同じ年代・業種・企業規模の中でどの位置にあるかは、賃金チェッカーで確かめられます。
よくある質問
Q. 福岡の女性の平均年収はいくらですか?
フルタイムで働く女性(パート・アルバイトを除く)で約380万円です(賃金構造基本統計調査2025年、所定内給与×12+年間賞与の推計)。男性は約523万円で、女性は男性の約73%です。
Q. 福岡は女性の給料が全国より低いのですか?
女性の年収は全国より約35万円低い水準です。ただし男性も同じように全国より低く、男性に対する女性の割合(約73%)は全国とほぼ同じです。福岡だけの問題というより、全国に共通する男女差が福岡にもある、と考えるのが正確です。
Q. 何歳ごろから男女の差が開きますか?
30代です。20代前半では女性は男性の97%ですが、30代前半で80%、40代前半で72%まで下がります。男性の年収が年齢とともに上がり続けるのに対し、女性の年収は30代以降ほとんど上がらないためです。
Q. パートで働く人も含めると、女性の年収はいくらですか?
パートや自営業も含めた就業構造基本調査(2022年)では、福岡県で働く女性の年収の中央値は約199万円(推計)です。福岡で働く女性の約半数が非正規で働いているため、フルタイムだけの数字より大きく下がります。
平均の差は、選び方で変えられる部分がある
福岡の女性の年収は約380万円で、男性の約7割です。ただし、その差は20代にはほとんどなく、30代からの年収の伸び方、正社員を続けるかどうか、どの業種で働くかによって生まれています。
平均の差は大きく見えますが、その中には、会社や業種の選び方で変えられる部分があります。今の職場で年収が伸びる見込みがあるのか。一度、データと照らし合わせて確かめてみると、次に選ぶべきことが見えやすくなります。女性の転職で会社をどう見極めるかは、女性の福岡転職で詳しく扱っています。

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