個人事業主の始め方。開業日までにやること全リスト

個人事業は、税務署に開業届を出せば始められます。法人設立のような登記も、資本金も要りません。ただ、順番を間違えると、使えたはずの制度を逃します。
結論から言うと、「開業届と青色申告承認申請を同時に出す」「事業用の口座とカードを先に分ける」——この2つを押さえるだけで、初年度の実務が大きく楽になります。この記事では、時系列で全リストを示します。
- 開業前(1〜3ヶ月前)にやること
- 開業時にやること
- 開業後にやること
- 費用の目安
- 法人ではなく個人で始める理由
- 会社員のまま始める場合
- よくある質問
- 開業届と青色申告は、同時に出す
開業前(1〜3ヶ月前)にやること
①事業内容を決める(何を、誰に、いくらで)。②必要な許認可を確認する(飲食、古物、建設、旅館業など。業種によっては開業前の取得が必須)。③必要資金を計算する(起業資金はいくら必要か・運転資金は何ヶ月分必要か)。④生活防衛資金を確保する(起業前の貯金はいくら必要か・必要額はライフプラン逆算)。⑤融資が必要なら相談を始める(公庫の創業融資)。⑥会社員なら、信用の要る手続きを済ませる(起業準備のやることリスト)。
⑥が重要です。退職すると、住宅ローン・賃貸・カードの審査が通りにくくなります。
個人事業の開業は届出1枚で終わる。難しいのは手続きではなく、開業前に決めておくべきことを決めきること。
開業時にやること
①開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)。事業開始から1か月以内に税務署へ。
②所得税の青色申告承認申請書。原則、開業から2か月以内(または適用を受けたい年の3月15日まで)。これを出さないと、その年は白色申告になります(青色申告のメリット)。
③屋号を決める(任意。屋号の決め方)。
④事業用の銀行口座を開設する。家計と分けることが、記帳の手間を劇的に減らします。屋号名義の口座は、開業届の控えが必要なことがあります。
⑤事業用のクレジットカードを用意する。
⑥会計ソフトを導入する。青色申告(65万円控除)には複式簿記が必要なので、実質的に必須です。
⑦必要に応じて追加の届出: 給与を払うなら「給与支払事務所等の開設届出書」と「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」、家族に給与を払うなら「青色事業専従者給与に関する届出書」。
②が最大の落とし穴です。開業届だけ出して、青色の申請を忘れる人が実際にいます。同時提出にしてください。
開業後にやること
①国民健康保険・国民年金への切り替え(会社を辞めた場合。期限は14日以内。転職時の保険・年金・税金の手続きの考え方と同じ)。
②記帳を始める。初月からやる。「後でまとめて」は必ず破綻します。
③インボイスの登録を検討する(取引先による。個人事業主はインボイス登録すべきか)。
④小規模企業共済・iDeCoの検討。掛金が全額所得控除になり、将来の資金も作れます。
⑤損害賠償保険(業種による)。
⑥住民税の納付。前年の所得に基づき請求が来ます。会社を辞めた年は、まとまった額になります。
費用の目安
開業届の提出: 無料。屋号口座の開設: 無料。会計ソフト: 年1〜3万円程度。印鑑・名刺・サイト: 数万円。
つまり、手続き自体の費用はほぼゼロです。法人設立(20〜25万円)と比べた最大の利点がここにあります(法人設立の費用内訳)。
法人ではなく個人で始める理由
①費用がかからない ②手続きが軽い ③やめるのも簡単(廃業届1枚)④赤字なら税負担が小さい(法人は赤字でも住民税の均等割がかかります。法人の維持費は年間いくらか)。
まず個人で始めて、規模に応じて法人化する——実務上、もっとも多いパターンです(法人化のタイミング)。
会社員のまま始める場合
副業として個人事業を始めることも可能です。①就業規則の確認 ②競業の回避 ③開業届の要否(副業でも開業届は必要か)。
失業給付を受ける予定がある場合、開業届が受給要件に影響することがあります。順序に注意してください。
よくある質問
Q. 開業日はいつにすればいいですか?
実際に事業を開始した日を書きます。青色申告の申請期限は開業日から起算されるため、逆算して決めてください。
Q. 屋号は必要ですか?
任意です。空欄でも提出できます(屋号の決め方)。
Q. 開業届を出さないとどうなりますか?
罰則はありませんが、青色申告が使えないなどの不利益があります(開業届を出さないとどうなるか)。
Q. 売上が少なくても出すべきですか?
青色申告のメリットと記帳の手間が釣り合うかで判断してください。継続する意思があるなら、早めに出すほうが有利です。
開業届と青色申告は、同時に出す
個人事業の開業は、手続きとしては驚くほど簡単です。押さえるべきは、①開業届と青色申告承認申請を同時に出す ②事業用の口座とカードを先に分ける——この2つ。あとは、決めるべきことを開業前に決めておけば、スムーズに始められます。
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