個人のネットショップ開業。モールと自社ECの選択

ネットショップは、在庫と発送さえ解決できれば個人でも始められる事業です。ただ、「モールに出すか、自社ECを作るか」で迷う人が非常に多い。
結論から言うと、モールは「集客を買う」代わりに手数料を払い、自社ECは「手数料を払わない」代わりに集客を自分で作る——この交換関係がすべてです。この記事では、選択の基準と、始め方を整理します。
- モールと自社ECの構造
- 現実的な順番
- 初期費用と必要なもの
- 必要な許可・法対応
- 収支の設計
- よくある質問
- 集客手段の有無で、選択は決まる
モールと自社ECの構造
モール(大手ECモール、フリマ・ハンドメイド系プラットフォーム) - 手数料: 販売額の5〜15%程度(サービスにより差があります) - 集客: モール内の検索から流入がある - 初期費用: 低い(月額料金+手数料) - 難点: 価格競争が激しい、顧客情報が自分のものにならない、規約変更のリスク
自社EC(カートシステムを使った独自ショップ) - 手数料: 決済手数料のみ(3〜4%程度)+月額利用料 - 集客: ゼロから作る(SNS、検索、広告、リアルの接点) - 初期費用: 低〜中 - 利点: 顧客リストが自分のもの、価格の自由度、ブランドの構築
判断基準はシンプルで、「集客手段を持っているか」。SNSのフォロワー、リアルの顧客、既存の関係——持っているなら自社EC、ゼロならモールから始めるのが合理的です。
ネットショップの選択は「手数料を払うか、集客を自分で作るか」の二択。集客手段がないうちに自社ECを作ると、誰も来ないきれいな店ができる。
現実的な順番
①モールで売れるかを検証する(商品が売れるかを確かめる)。②並行して自社ECを作り、リピーターを誘導する。③自社ECの比率を上げる。
②で顧客リストを作ることが要点です。モールは顧客情報の扱いに制約があるため、同梱物やSNSで、自社の導線を案内する(規約の範囲内で)。
初期費用と必要なもの
①商品(仕入れ、または自作)。②撮影(ECは写真が商品そのもの。ここへの投資は費用対効果が高い)。③梱包資材。④カートシステムの月額(0〜数千円から)。⑤決済手数料。
総額としては、在庫を除けば数万円から始められます。
在庫が最大の変数です。在庫を持たない形(受注生産、オーダーメイド、デジタル商品)なら、リスクが大きく下がります(ひとり起業に向く業種)。
必要な許可・法対応
①特定商取引法に基づく表記(事業者名、住所、電話番号、返品条件など)。通信販売では必須です。②古物商許可(中古品を仕入れて売る場合。古物商許可の取り方)。③食品を扱う場合(食品衛生法。営業許可や表示の要件)。④化粧品・医薬部外品(製造販売業の許可、輸入の要件)。⑤酒類(通信販売酒類小売業免許)。
②〜⑤は、扱う商材で要否が変わります。開業前に確認してください。
①の住所公開は、自宅の場合に悩む点です。バーチャルオフィス等を検討する場合、特商法表記に使えるかを事業者に確認してください(福岡のバーチャルオフィスで登記する)。
収支の設計
粗利率が生命線です。販売価格から、仕入れ、手数料、送料、梱包、決済手数料を引いた残りが粗利。
送料の扱いが特に効きます。「送料無料」にすると、その分が粗利から消えます。価格に織り込むか、一定額以上で無料にするかを設計してください。
必要な手取りはライフプラン逆算で先に出し、粗利率から必要売上を逆算する。この順番でないと、売っても残らない状態になります(運転資金は何ヶ月分必要か)。
よくある質問
Q. 何を売ればいいですか?
自分が詳しい分野、または供給ルートを持っている商材。「売れそうなもの」から入ると、競合の価格競争に巻き込まれます。
Q. 副業として始められますか?
可能です。発送作業の時間が主な制約になります(会社員のまま起業する)。
Q. ハンドメイドでも成立しますか?
制作時間が原価なので、時給換算での検証が必須です(ハンドメイド販売で稼げるのか)。
Q. 広告は必要ですか?
自社ECでは、集客の手段が要ります。広告、SNS、検索、リアルの接点のいずれか。無料の手段から試すのが順当です。
集客手段の有無で、選択は決まる
モールか自社ECかは、好みではなく集客手段を持っているかどうかで決まります。持っていないならモールで検証し、そこから自社の導線を育てる。この順番なら、無駄な投資をせずに済みます。
自分の商材なら、どちらから始めるべきか。福岡で実際に創業した経営者に無料で相談できます。

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