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会社設立を司法書士に頼む費用。自分でやる場合との差

久保 塁
監修:久保 塁起業・独立担当・現役経営者

会社設立は、自分でもできます。ただ、「できる」と「やったほうがいい」は別です。

そして混乱しやすいのが、司法書士・行政書士・税理士のどれに頼めばいいのかという点。この3つは役割が違い、頼める範囲も違います。この記事では、費用と役割を整理します。報酬額は事務所ごとに差があるため、必ず見積もりで確認してください。

このコラムでわかること
  1. 3つの専門家の役割の違い
  2. 費用の内訳
  3. 電子定款という論点
  4. 自分でやるべきケース・頼むべきケース
  5. 時間で考える
  6. よくある質問
  7. 判断は「定款の設計が必要か」で決まる

3つの専門家の役割の違い

司法書士: 登記の代理ができる唯一の専門家(弁護士を除く)。設立登記の申請を代行します。会社設立の本体部分

行政書士: 定款の作成、電子定款の認証代行、許認可申請登記そのものは代理できません

税理士: 設立後の税務(青色申告の届出、税務署への各種届出、記帳、決算)。設立と同時に顧問契約を結ぶと、設立費用を割り引く事務所があります。

つまり: 登記まで丸ごと任せたいなら司法書士定款作成と許認可が中心なら行政書士設立後の税務が主目的なら税理士経由——という整理になります。

POINT

登記を代理できるのは司法書士だけ。「会社設立代行」を名乗るサービスでも、登記部分は司法書士が行っている。

費用の内訳

会社設立の費用は、「法定費用」と「専門家報酬」に分かれます

法定費用(誰がやっても同額) - 登録免許税(株式会社と合同会社で額が違う) - 定款の認証手数料株式会社は必要、合同会社は不要) - 定款の印紙代紙の定款のみ。電子定款なら不要) - 謄本代・印鑑作成費

専門家報酬(事務所ごとに差がある) - 司法書士報酬 - 行政書士報酬(定款作成のみの場合)

具体的な額は法人設立の費用にまとめています。株式会社と合同会社で法定費用が大きく違う——これが最初の分岐です(合同会社と株式会社の違い)。

電子定款という論点

紙の定款には印紙税がかかりますが、電子定款なら不要です。

ただし、電子定款を自分で作るには、電子証明書と対応ソフトの環境が必要です。一度きりの設立のためにこれを揃えると、印紙代を上回ることがあります

専門家に頼む場合、電子定款で処理されるのが一般的——この差額が、報酬の一部を相殺します

「専門家報酬 − 印紙代の節約分」が、実質的な追加負担という見方ができます。

自分でやるべきケース・頼むべきケース

自分でやってよい - 合同会社で、発起人が1名、出資が金銭のみ - 定款が標準的な内容でよい - 時間に余裕がある - 登記所や法務局のサイトで手順を追える

頼んだほうがいい - 株式会社で、発起人が複数いる - 現物出資がある(財産の評価が絡む) - 定款に独自の条項を入れたい(種類株式、役員の任期、譲渡制限の設計) - 設立の期限が決まっている(取引先との契約、許認可の申請期限) - 許認可が必要な業種(定款の目的の書き方が許認可に影響します)

特に最後の点は重要です。定款の「目的」の記載が不適切だと、許認可が下りないことがあります。建設業、宅建業、人材紹介、飲食、運送など、許認可のある業種は先に確認してください(定款の作り方)。

時間で考える

自分でやる場合、調べる時間を含めて数日〜2週間程度かかることが多いやり直しが発生すると、さらに延びます

その時間を事業の準備に使えるか——ここが判断基準になります。

創業期は、やることが多い資金調達、物件、仕入れ、集客の準備開業資金の内訳創業融資の使い分け)。設立手続きは、事業の成否に直接効かない作業です。

必要な資金と手取りはライフプラン、生活費の水準は都市別データで確認してから、費用配分を決めてください。

よくある質問

Q. 「設立費用0円」の代行サービスは何ですか?

税理士の顧問契約を前提に、設立報酬を無料にする形が多い。法定費用は別途かかります顧問料の総額を含めて比較してください。

Q. 行政書士に登記まで頼めますか?

登記の代理はできません定款作成までが行政書士、登記は司法書士です(行政書士として独立する)。

Q. 合同会社なら自分でできますか?

構成がシンプルなら現実的です会社設立の流れ)。ただし合同会社特有の制約は先に確認してください(合同会社のデメリット)。

Q. どこで見積もりを取ればいいですか?

複数の事務所に、①依頼範囲 ②法定費用と報酬の内訳 ③追加費用の条件を明示して依頼してください。内訳が分かれていない見積もりは比較できません

判断は「定款の設計が必要か」で決まる

会社設立は、構成がシンプルなら自分でもできます。頼むべきなのは、定款の設計が必要な場合、許認可がある業種、期限がある場合。そして見積もりは、法定費用と報酬を分けて比較する——この2点を押さえれば、過剰な支出も、手戻りも避けられます。

自分の事業なら、どこまで自分でやるべきか。福岡で実際に創業した経営者に無料で相談できます。

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