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事務職の職務経歴書。「誰でもできる仕事」に見せない実績の書き方

寺木 健人
監修:寺木 健人転職・キャリア担当・人材業界出身
公開

事務職の職務経歴書を書こうとして、「電話対応、来客対応、書類作成……」と業務を並べたところで手が止まる。数字で語れる実績なんてない気がするし、どう書いても「誰でもできる仕事」に見えてしまう——事務職の書類相談で、いちばん多い悩みです。

結論から言うと、事務職の実績は「件数・正確性・効率化」の3軸で数字にできます。売上のような派手な数字がなくても、「1日40件の受発注をミスなく処理」「月次集計を関数化して作業時間を月10時間削減」は立派な実績です。採用側が事務職に求めているのは正確さ・速さ・改善力であって、売上ではありません。この記事では、事務の仕事を「書くに値する実績」へ変換する方法を、例文つきで解説します。

このコラムでわかること
  1. 採用側は事務職の何を見ているか
  2. 実績を数字にする3軸——件数・正確性・効率化
  3. そのまま使える例文——業務内容と実績の書き分け
  4. スキル欄の書き方——「Word・Excel」で終わらせない
  5. 「誰でもできる」に見える書き方・見えない書き方
  6. 事務職ならではの職務要約の型
  7. よくある質問

採用側は事務職の何を見ているか

中途採用の事務職求人で、採用担当が職務経歴書から読み取ろうとしているのは3点です。①ミスなく回せるか(正確性)、②量をさばけるか(処理能力)、③言われたこと以外もできるか(改善・調整力)。

業務の羅列だけの職務経歴書は、①〜③のどれにも答えていません。「受発注業務を担当」と書かれても、1日5件なのか50件なのか、ミスが多かったのか少なかったのかが分からないからです。逆に言えば、同じ業務でも「規模と質」を添えるだけで、書類の評価は変わります。事務職は応募が集まりやすい職種で、福岡でも求人倍率が低い=競争が激しい側です(職種別の求人データで実際の需給を確認できます)。だからこそ、書き方の差がそのまま通過率の差になります。

実績を数字にする3軸——件数・正確性・効率化

①件数(量)。日常業務を思い出して、数えられるものを数えます。受発注なら1日◯件、請求書なら月◯件、電話なら1日◯本、対応部署は◯部署、担当営業は◯名。正確な記録がなければ「1日平均約40件」のように概数で構いません。

②正確性(質)。「ミスゼロ」を証明できなくても、「入力ミスによる再処理が月◯件以下」「締め日遅延ゼロを◯年継続」「監査指摘ゼロ」のような書き方ができます。チェック体制を自分で作った経験があれば、それ自体が実績です。

③効率化(改善)。Excelの関数化・マクロ化、手順書の作成、フォーマットの統一、ダブルチェックの仕組み化。効果は「作業時間を月◯時間削減」「引き継ぎ期間を◯日短縮」のように、時間で表すのがコツです。金額でなくていいのです。

POINT

事務職の実績は「件数・正確性・効率化」の3軸で数字にする。売上がなくても「1日40件をミスなく処理」「関数化で月10時間削減」は実績になる。業務の羅列に規模と質を添えるだけで、書類の評価は変わる。

数字がどうしても思い出せない場合は、実績の見つけ方の記事の質問リストで日常業務を掘り起こしてください。「当たり前にやっていたこと」の中に、書ける材料はほぼ確実にあります。

そのまま使える例文——業務内容と実績の書き分け

営業事務の例:

業務内容「営業10名の受発注処理(1日平均40件)、見積書・請求書の作成(月200件)、顧客からの納期問い合わせ一次対応」 実績・取り組み「Excelの関数化により月次売上集計の作業時間を月10時間削減。入力チェックリストを作成し、部内の請求書再発行件数を月5件から1件以下に改善」

総務・一般事務の例:

業務内容「備品・契約書管理、社内規程の改定サポート、月次の勤怠集計(従業員80名分)、来客・電話対応」 実績・取り組み「紙で管理していた契約書台帳をスプレッドシート化し、更新期限の見落としをゼロに。新入社員向けの事務手順書を作成し、引き継ぎ期間を2週間から1週間に短縮」

経理事務の例:

業務内容「仕訳入力(月400件)、売掛・買掛管理、月次決算補助、税理士事務所との窓口対応」 実績・取り組み「支払依頼のフォーマットを統一し、差し戻し件数を月10件から2件に削減。月次決算の締めを2営業日短縮」

型はどれも同じで、業務内容には「規模」を、実績には「変化(ビフォー→アフター)」を入れる——これだけです。

スキル欄の書き方——「Word・Excel」で終わらせない

事務職の職務経歴書でもったいないのが、スキル欄の「Word、Excel、PowerPoint」という3語だけの記載です。採用側が知りたいのはどのレベルで使えるかなので、具体的な操作で書きます。

「Excel(VLOOKUP・ピボットテーブルでの集計、グラフ作成)」「Word(社外文書・マニュアル作成)」「会計ソフト◯◯(仕訳入力・月次処理)」「電話応対(1日30件程度のビジネス対応)」。資格があれば MOS や日商簿記も並べますが、資格がなくても操作の具体性で十分伝わります。

なお、事務職はパソコンでの書類作成能力そのものが見られる職種です。職務経歴書自体のレイアウトの整い方が実技試験だと考えてください(手書きかパソコンかの記事で書いたとおり、作成は当然パソコンです)。

「誰でもできる」に見える書き方・見えない書き方

同じ経歴でも、書き方で印象は大きく変わります。避けたいのは、主語のない受け身の羅列です。「〜を担当しました」「〜に携わりました」が続くと、指示されたことをこなしただけに読めます。

直し方は2つ。①動詞を具体化する。「担当した」ではなく「作成した」「集計した」「改善した」「調整した」。②工夫を1つ添える。「間違いが起きやすい箇所だったので、チェック列を追加して防止した」のような一文があるだけで、考えて働く人だと伝わります。

また、庶務的な業務が長い人ほど「大した仕事はしていない」と謙遜しがちですが、書類で謙遜は減点にしかなりません。部署の人数、扱っていた書類の種類と量、関わった部署の数——事実を淡々と積むほうが、よほど説得力があります。書き方の全体像は職務経歴書の書き方を参照してください。

事務職ならではの職務要約の型

冒頭の職務要約は「年数と事務の種類→規模→強み→方向性」の順で3〜5行にまとめます。

例:「営業事務として7年間勤務してきました。営業10名分の受発注・請求業務(月200件超)を担当し、正確性と処理スピードを評価いただいています。Excelでの集計効率化を得意とし、月次業務の時間短縮を継続的に行ってきました。今後は経理業務にも領域を広げたいと考えています」

事務職は職種内の幅が広いので、「何事務なのか」(営業事務・経理事務・総務・人事労務など)を要約の1行目で特定するのがポイントです。応募先の求人票の職種名に寄せて書いてください。なお、事務系職種の給与水準は地域差が大きい分野です。応募前に福岡の職種別賃金データで相場観を持っておくと、条件面の判断がしやすくなります。

よくある質問

Q. 派遣で複数社の事務を経験しています。どうまとめればいいですか?

派遣元・派遣先を正しく書き分けたうえで、業務内容が近い就業先はまとめて書いて構いません。「◯◯派遣会社より3社に就業。いずれも営業事務として受発注・請求業務を担当」のように束ね、直近か最も規模の大きい就業先だけ詳しく書くと読みやすくなります。書き分けの詳細は派遣経歴の書き方で解説しています。

Q. 数字がどうしても概算しか出せません。書いてもいいですか?

構いません。「1日平均約40件」「月200件程度」のように概数と分かる書き方にしてください。面接で聞かれたときに算出根拠(繁忙期と閑散期の幅など)を説明できれば問題ありません。避けるべきは、実際より盛った数字を書くことだけです。

Q. 電話対応や来客対応しか書くことがない場合は?

対応の「中身」を分解してください。1日の件数、クレーム対応の有無、取り次ぎだけでなく一次回答までしていたか、対応記録の仕組みを作ったか。「電話対応」の一語に畳まれている仕事は、思っているより多層です。それでも薄いと感じるなら、自己PRの棚卸し質問で職務全体から強みを探すほうが早いこともあります。

Q. 事務職から事務職への転職でも志望動機は必要ですか?

履歴書側には必要です。同職種の転職では「なぜ転職するのか」より「なぜこの会社なのか」が見られます。職務経歴書は本記事の型で実務を語り、志望動機は志望動機の記事の型で書き分けてください。

Q. MOSなどの資格は取ってから応募すべきですか?

資格の有無より実務の具体性が優先です。応募を止めてまで取る必要はありません。学習中なら「MOS Excel 取得に向けて学習中」と書けば、方向性のアピールになります。

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