福岡の残業時間は月平均11時間。少ない業種は教育(4時間)、多い業種は運輸(24時間)

「次の職場は、残業の少ないところがいい」。転職を考える理由として、残業の多さを挙げる人は少なくありません。では、福岡で残業が少ないのはどの業種で、自分の今の残業時間は多いほうなのでしょうか。
結論から言うと、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2025年)で、福岡県のフルタイムで働く人の残業時間(超過実労働時間)は月平均約11時間です。業種別では、教育・学習支援業が約4時間、医療・福祉と生活関連サービス業・娯楽業が約5時間と少なく、運輸業・郵便業は約24時間、製造業は約16時間と多くなっています。この記事では、業種・会社の規模・年代・男女で残業時間がどう違うかを見たうえで、残業の少ない職場を探す手順を整理します。
- この記事の「残業時間」とは
- 福岡の残業時間は、全国・九州とほぼ同じ
- 業種別の残業時間
- 2年前より短くなった業種、とくに運輸
- 大きな会社のほうが、残業は長い
- 年代と男女で見ると
- 残業の少ない職場を探す手順
- よくある質問
- 業種で絞り、会社で確かめる
この記事の「残業時間」とは
使う数字は、賃金構造基本統計調査の「超過実労働時間数」です。会社が決めた所定の労働時間を超えて、実際に働いた時間のことで、2025年6月の1か月分です。対象は、パート・アルバイトを除くフルタイムの一般労働者で、従業員10人以上の企業です。
この数字は、会社が給与の計算のために記録している時間をもとにしています。そのため、記録に残らないサービス残業は含まれません。また、6月1か月の数字なので、繁忙期が別の月にある業種では、年間の平均とずれることがあります。数字は1時間単位で公表されています。
なお、パートタイム労働者を含めて集計する毎月勤労統計調査では、福岡県の所定外労働時間は2025年の月平均で9.1時間でした。パートを含むぶん、フルタイムだけの数字より短くなります。この記事では、フルタイムで働く人の実態に近い賃金構造基本統計調査の数字を使います。
福岡の残業時間は、全国・九州とほぼ同じ
まず、福岡県の残業時間を全国・九州の他の県と比べます。
| 地域 | 残業時間(月) | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 全国 | 約11時間 | 約13時間 | 約7時間 |
| 東京 | 約10時間 | 約11時間 | 約9時間 |
| 福岡 | 約11時間 | 約14時間 | 約6時間 |
| 佐賀 | 約10時間 | 約12時間 | 約6時間 |
| 長崎 | 約10時間 | 約14時間 | 約6時間 |
| 熊本 | 約10時間 | 約13時間 | 約7時間 |
| 大分 | 約10時間 | 約14時間 | 約5時間 |
| 宮崎 | 約9時間 | 約12時間 | 約5時間 |
| 鹿児島 | 約9時間 | 約11時間 | 約5時間 |
福岡の残業時間は全国平均と同じ約11時間で、九州の他の県(約9〜10時間)より1〜2時間多い程度です。地域による差は小さく、残業時間を大きく左右するのは、地域よりも業種です。
業種別の残業時間
福岡県の業種(産業大分類)別の残業時間は次のとおりです。
| 業種 | 残業時間(月) | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 運輸業・郵便業 | 約24時間 | 約26時間 | 約14時間 |
| 製造業 | 約16時間 | 約17時間 | 約11時間 |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 約13時間 | 約13時間 | 約11時間 |
| 学術研究・専門・技術サービス業 | 約13時間 | 約14時間 | 約9時間 |
| 建設業 | 約12時間 | 約13時間 | 約7時間 |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 約12時間 | 約14時間 | 約9時間 |
| サービス業(他に分類されないもの) | 約12時間 | 約16時間 | 約7時間 |
| 卸売業・小売業 | 約9時間 | 約10時間 | 約6時間 |
| 複合サービス事業(郵便局・農協など) | 約8時間 | 約10時間 | 約4時間 |
| 情報通信業 | 約7時間 | 約7時間 | 約6時間 |
| 金融業・保険業 | 約7時間 | 約9時間 | 約6時間 |
| 不動産業・物品賃貸業 | 約7時間 | 約8時間 | 約5時間 |
| 医療・福祉 | 約5時間 | 約6時間 | 約4時間 |
| 生活関連サービス業・娯楽業 | 約5時間 | 約5時間 | 約4時間 |
| 教育・学習支援業 | 約4時間 | 約5時間 | 約4時間 |
(鉱業は対象者が約290人と少ないため除きました)
最も長い運輸業・郵便業(約24時間)と、最も短い教育・学習支援業(約4時間)では、6倍の開きがあります。
意外に見えるのは、情報通信業(約7時間)や金融業・保険業(約7時間)が、全体の平均より短いことです。「IT業界は残業が多い」というイメージとは違い、福岡の情報通信業の平均は、産業全体の平均(約11時間)を下回っています。
もう少し細かい業種で見ると、差はさらに開きます。働く人の多い業種に限ると、食料品製造業は約28時間、輸送用機械器具製造業(自動車関連など)は約20時間と長く、情報サービス業は約7時間、医療業は約6時間、学校教育は約4時間、娯楽業は約3時間と短くなっています。ただし、細かい業種の数字は調査の対象者が少なく、年によって振れやすい点に注意してください。
2年前より短くなった業種、とくに運輸
同じ統計の2023年の数字(このサイトの福岡の残業・休日の実態で公開しているもの)と比べると、福岡県全体の残業時間は約12時間から約11時間へ、少し短くなりました。
とくに大きく減ったのは運輸業・郵便業で、約30時間から約24時間へと約6時間短くなっています。2024年4月から、トラックなどの自動車運転の仕事にも時間外労働の上限規制が適用されたことが影響していると考えられます。建設業も約13時間から約12時間へ減りました。
残業ではない、もともとの所定の労働時間(所定内実労働時間)も、福岡県全体で約165時間から約161時間へ短くなっています。残業と合わせた月の労働時間は、2年で約5時間短くなった計算です。調査月の6月の平日が2023年は22日、2025年は21日と1日少ないことも影響しているとみられるため、働き方の変化だけで短くなったとは言い切れません。
一方、細かい業種では、食料品製造業が約17時間から約28時間へ増えるなど、大きく動いたものもあります。細かい業種の数字は振れやすいので、1回の調査の結果だけで判断しないほうが安全です。
大きな会社のほうが、残業は長い
会社の規模(企業全体の常用労働者数)で分けると、福岡では意外な結果になります。
| 規模 | 残業時間(月) |
|---|---|
| 1000人以上 | 約14時間 |
| 100〜999人 | 約10時間 |
| 10〜99人 | 約9時間 |
1000人以上の大企業のほうが、中小企業より残業時間が長いのです。九州の他の県でも同じ傾向で、1000人以上の企業は約12〜15時間と、どの県でも最も長くなっています。
ただし、この数字は会社が記録している残業時間です。大企業は勤怠の記録や残業代の支払いが徹底されている一方、中小企業では記録に残らない残業が含まれていない可能性もあります。「大企業は残業が長い」と単純には言えませんが、「大企業なら残業が少ない」とも言えないことは、数字からはっきりしています。
業種と規模を組み合わせると、建設業では1000人以上が約20時間、10〜99人が約7時間と、規模による差が大きく出ます。
年代と男女で見ると
福岡県の残業時間を年代別に見ると、25〜29歳が約14時間で最も長く、その後は40代前半まで約12時間、50代で約10〜11時間と、少しずつ短くなります。男性は25〜29歳で約18時間、30〜44歳で約16時間です。
男女で見ると、男性は約14時間、女性は約6時間で、女性は男性の半分以下です。残業の少ない業種・職種に女性が多いことや、家庭との両立のために残業の少ない働き方を選んでいることが背景にあると考えられます。
残業の少ない職場を探す手順
業種の平均は目安にはなりますが、同じ業種でも会社や部署によって残業時間は大きく違います。残業の少ない職場を探すときは、次の順番で確かめると失敗しにくくなります。
1. 業種で大まかに絞る。上の表で、自分の経験を生かせる業種の中から、残業時間の短い業種を候補にします。
2. 求人票の「固定残業代」を確かめる。固定残業代(みなし残業)が月何時間分含まれているかは、その会社が想定している残業時間の目安になります。月20時間分なら、少なくともその程度の残業は想定していると考えるのが自然です。
3. 面接で具体的に聞く。「配属予定の部署の、直近の平均残業時間」を聞くと、会社全体の平均より実態に近い答えが得られます。聞きにくければ、「繁忙期はいつで、どの程度忙しくなるか」という聞き方でもかまいません。
4. 公開データで確かめる。厚生労働省の「しょくばらぼ」など、企業が残業時間や有給休暇の取得率を公開しているサイトもあります。
今の残業が多くて転職を考えている場合は、月何時間が目安になるかを残業が多くて辞めたいで整理しています。福岡の業種別・企業規模別の残業時間は福岡の残業・休日の実態で、残業以外の働きやすさの見分け方は福岡のホワイト企業の見つけ方で確認できます。
よくある質問
Q. 福岡の平均残業時間はどのくらいですか?
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2025年)で、福岡県のフルタイムの一般労働者の残業時間は月平均約11時間です。全国平均も約11時間で、ほぼ同じ水準です。
Q. 月20時間の残業は多いですか?
福岡の平均(約11時間)の2倍近くで、平均より多いほうです。業種別で最も長い運輸業・郵便業の平均(約24時間)に近い水準です。ただし、繁忙期だけ一時的に増えるのか、毎月続くのかでも、負担の大きさは変わります。
Q. この統計にサービス残業は含まれていますか?
含まれていません。会社が給与の計算のために記録している時間をもとにしているため、記録に残らない残業は数字に出ません。実際の労働時間は、この数字より長い職場もあると考えてください。
Q. 大企業のほうが残業は少ないですか?
福岡では、1000人以上の企業の残業時間(約14時間)が、10〜99人の企業(約9時間)より長くなっています。記録の正確さの違いもありえますが、「大企業なら残業が少ない」とは言えません。
業種で絞り、会社で確かめる
福岡の残業時間は月平均約11時間で、業種によって約4時間から約24時間まで開きがあります。残業の少ない職場を目指すなら、まず業種で大まかに絞り、そのうえで求人票と面接で会社ごとの実態を確かめるのが近道です。
残業時間は、給与と違って求人票からは見えにくい条件です。だからこそ、データで相場を知ったうえで具体的に質問することが、入社後の「こんなはずではなかった」を防ぐいちばんの方法です。

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