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パーソナルジム開業。小規模テナントでの収支設計

久保 塁
監修:久保 塁起業・独立担当・現役経営者

パーソナルジムは、小規模なテナントでも成立する業態として増えました。マシンを大量に置く必要がなく、単価が高いためです。

結論から言うと、必要なのは広さでも設備でもなく、継続率と紹介の設計です。単価が高いぶん、解約が1件出ると収支への影響が大きい。この記事では、成立ラインと、続かない店の共通点を整理します。

このコラムでわかること
  1. 必要な設備と物件
  2. 成立ラインの計算
  3. 継続率がすべて
  4. 契約形態と法規制
  5. 集客の設計
  6. 続かない店の共通点
  7. よくある質問
  8. 小さく始めて、継続で積む

必要な設備と物件

広さ: 10〜20坪程度で成立します。マンツーマンなので、大型ジムのような面積は不要。

設備: パワーラック、ダンベル、ベンチ、バーベル、ケーブル系。中古設備を使えば大幅に抑えられます。総額100〜300万円程度

物件条件: ①荷重(床の耐荷重)②天井高 ③音・振動(重量物を落とす音は、下階・隣接テナントとのトラブルになります)④シャワー・更衣室の要否(設置すると内装費が跳ねます)⑤立地(駅近か、駐車場ありか)。

③は開業後の存続に直結します。物件契約前に、建物の用途と、上下階のテナントを確認してください。

総額の目安は、物件取得を含めて300〜800万円程度[要確認: 福岡市内の直近相場]。シャワーなし・居抜き・中古設備なら下限に近づきます。

POINT

パーソナルジムの物件選びで最初に見るのは駅距離ではなく、床の耐荷重と防音。ここを外すと、営業できても続けられない。

成立ラインの計算

客単価: 1回7,000〜10,000円、月4〜8回のコースで月額3〜7万円が一般的な水準です。

モデル: 月額5万円 × 継続会員20名 = 月商100万円

固定費: 家賃20万円、水道光熱・通信5万円、広告10万円、設備リース/返済8万円 → 43万円。人件費が自分だけなら、残り57万円

会員20名は、1人あたり週1回なら週20セッション。1日3〜4セッションで回ります。トレーナー1人で対応可能な範囲です。

つまり、20名前後で1人分の事業が成立する。ここが小規模で成立する理由です。

必要な手取りはライフプラン逆算で先に出し、そこから必要会員数を逆算してください。

継続率がすべて

単価が高い=解約のインパクトが大きい。月5万円の会員が3名抜ければ、月商が15万円落ちます。

継続率を上げる要素: ①成果が見える(数値の記録、写真、体組成)②通いやすさ(予約の取りやすさ、立地)③関係性(担当の固定、コミュニケーション)④次の目標の設定(目標達成後に辞められないよう、次を提示する)。

④が実務的に効きます。「2ヶ月で◯kg」というコースは、達成すると終わります。達成後の維持コース・別目標のコースを設計しておくことが、継続の鍵です。

契約形態と法規制

回数券・コース契約は、特定商取引法の特定継続的役務提供に該当する場合があります(役務の期間と金額の要件)。該当すると、契約書面の交付義務、中途解約権、解約時の清算ルールなどの規制がかかります。

「途中解約は一切できません」という契約は、規制に反する可能性があります契約書のひな形は、開業前に専門家に確認してください。

また、広告表現(効果の断定、ビフォーアフター)にも、景品表示法などの観点で注意が必要です。

集客の設計

①Web検索(「◯◯(地域名) パーソナルジム」)。Googleビジネスプロフィールと口コミが強く効きます。②SNS(トレーナー個人の発信)。③紹介(既存会員から。単価が高い商材ほど、紹介の比率が高い)。④体験セッション(無料または低額で、入会率を上げる)。

③の設計を最初から入れておくことが、広告費を抑える近道です。

続かない店の共通点

①固定費が重い(広すぎる物件、シャワー設備、新品の高額機器)。②継続の設計がない(コース終了後に辞められる)。③トレーナーが自分だけで、体調不良時に止まる④集客をポータルサイト依存にしている(手数料と、他店との価格競争)。⑤単価を下げて客数を追う(マンツーマンなので、客数の上限が時間で決まる)。

⑤は特に危険です。パーソナルジムは時間を売る商売なので、単価を下げると上限が下がるだけです(ひとり起業に向く業種)。

よくある質問

Q. 資格は必要ですか?

法的な要件はありませんが、民間の指導資格は信頼の材料になります。加えて、傷害保険は実質的に必須です。

Q. 自宅やレンタルスペースで始められますか?

レンタルジムの時間貸しを使えば、初期費用ゼロで始められます。まずこの形で会員を作ってから出店するのが、リスクの小さい順路です。

Q. 何名で黒字になりますか?

固定費次第ですが、家賃20万円規模なら10〜12名で損益分岐が目安です。

Q. 資金調達はできますか?

公庫の創業融資制度融資が使えます。指導経験と、会員獲得の見込みが説明できるかが審査の焦点です(創業計画書の書き方)。

小さく始めて、継続で積む

パーソナルジムは、20名前後で1人分の事業が成立する業態です。だから、大きな箱を借りる必要はありません。まずレンタルジムや小規模物件で会員を作り、埋まってから拡張する。継続率の設計さえできていれば、この順路で十分に成立します。

自分の構想だと、どこから始めるべきか。福岡で実際に創業した経営者に無料で相談できます。

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