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IT導入補助金は個人事業主でも使えるか。対象と手順

久保 塁
監修:久保 塁起業・独立担当・現役経営者
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会計ソフト、予約システム、POSレジ、業務システム——ITツールの導入費用を補助する制度として、IT導入補助金があります。

結論から言うと、個人事業主も対象になり得ます。ただし、①IT導入支援事業者を通じてしか申請できない ②対象ツールが登録されているものに限られる ③あと払い——この3点を理解しておく必要があります。公募回ごとに要件・補助率・対象が変わるため、必ず最新の公募要領を確認してください。

このコラムでわかること
  1. 制度の要点
  2. 対象になるもの・ならないもの
  3. 申請の流れ
  4. 個人事業主が使う場合の注意
  5. 使うべきか、使わないべきか
  6. 他の補助金との比較
  7. よくある質問
  8. 必要なツールが先、補助金は後

制度の要点

目的: 中小企業・小規模事業者が、業務効率化や売上向上のためにITツールを導入する費用を補助する。

対象者: 中小企業・小規模事業者。業種ごとの従業員数・資本金の要件があり、個人事業主も含まれます(2026年度は「デジタル化・AI導入補助金」の名称で実施)。

補助率と上限: 申請する枠(通常枠、インボイス枠、セキュリティ対策推進枠、複数者連携枠)によって異なります(2026年度)。

特徴: ①IT導入支援事業者(登録された事業者)とペアで申請する ②対象ツールは、事前に登録されたものに限られる ③交付決定後に契約・導入する。

POINT

IT導入補助金は、自分で好きなツールを買って申請する制度ではない。登録された支援事業者と、登録されたツールの組み合わせでしか使えない。

対象になるもの・ならないもの

対象になり得るもの: 登録されたITツール(ソフトウェアの利用料、導入に伴う関連費用など)。会計・受発注・決済・EC・予約・顧客管理・勤怠などの業務システム、インボイス枠(インボイス対応類型)ではPC・タブレット・レジなどのハードウェアも対象になります(2026年度)。

対象にならないもの: ①登録されていないツール ②交付決定前に契約・支払いをしたもの ③汎用性が高く業務との関連が薄いもの ④補助事業と関係のない費用。

②が最大の落とし穴です。「先に導入して、後から申請」はできません。

申請の流れ

①gBizIDプライムを取得する。取得に日数がかかるため、まずこれから。

②IT導入支援事業者とツールを選ぶ。公式サイトで、登録されている事業者とツールを検索できます。

③支援事業者と一緒に申請書を作成する。事業計画、導入の目的、効果の見込み。

④交付申請 → 交付決定。

⑤契約・導入・支払い(交付決定後に)。

⑥事業実績報告。

⑦補助金の交付。

⑧効果報告(採択後、一定期間の報告義務があります)。

②で、支援事業者が実質的な窓口になります。自分だけでは申請できません。

個人事業主が使う場合の注意

①開業届を出しているか。事業者としての実体が必要です(開業届の書き方)。

②確定申告の実績。直近の申告状況を求められることがあります。

③あと払い。先に全額を自分で支払う必要があります。資金繰りに入れてください(運転資金は何ヶ月分必要か)。

④効果報告の義務。採択後、数年にわたり報告が必要な場合があります。手間を織り込んで判断してください。

⑤補助金は課税対象。収益として計上されます(圧縮記帳などの処理がある場合は税理士に確認)。

使うべきか、使わないべきか

使う価値がある: ①もともと導入予定のツールがあり、それが対象になっている ②導入額が大きい ③支援事業者との関係が作れる。

急がなくてよい: ①対象ツールが自分の必要とするものと合わない ②導入額が小さく、手続きの手間に見合わない ③あと払いの資金繰りが厳しい。

「補助金があるから導入する」は順序が逆です。必要なツールがあり、それが対象なら申請する——この順番で(補助金・助成金・持続化補助金の使い方)。

他の補助金との比較

①小規模事業者持続化補助金: 販路開拓が目的。商工会議所の関与が必要(持続化補助金の使い方)。

②IT導入補助金: ITツールの導入が目的。支援事業者の関与が必要。

③その他の助成金: 雇用関連など(返済不要の助成金)。

目的が違うため、併用できる場合もあります(同一経費への重複は不可)。

よくある質問

Q. どのツールが対象か調べられますか?

公式サイトのITツール検索で、登録済みのツールと支援事業者を確認できます。

Q. 自分でソフトを買っても対象ですか?

登録された支援事業者を通じた導入が原則です。

Q. 採択率はどのくらいですか?

公募回と枠によって変動します。申請内容の質で差が出ます。

Q. 開業直後でも使えますか?

要件を確認してください。確定申告の実績が求められる場合があります。必要な資金の全体像は開業資金の内訳の作り方、必要な手取りはライフプラン逆算で確認を。

必要なツールが先、補助金は後

IT導入補助金は、個人事業主も使える制度です。ただし、支援事業者と登録ツールの組み合わせでしか使えず、交付決定前の導入は対象外。だから、まず必要なツールを決め、それが対象かを確認する——この順番で進めてください。

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