持続化補助金の使い方。対象経費と採択のポイント

小規模事業者持続化補助金は、個人事業主や小規模企業が使いやすい補助金として知られています。販路開拓や業務効率化の費用の一部が補助されます。
結論から言うと、この補助金の要点は①対象経費が限定されていること ②商工会議所・商工会の関与が必要なこと ③あと払いであることの3点です。この記事では、実務的な使い方を整理します。公募回ごとに要件・補助率・上限額が変わるため、必ず最新の公募要領を確認してください。
- 制度の概要
- 対象になる経費・ならない経費
- 商工会議所・商工会の関与
- 採択される計画書のポイント
- あと払いという資金繰りの問題
- 申請の流れ
- よくある質問
- やりたいことが先、補助金は後
制度の概要
目的: 小規模事業者が、販路開拓や生産性向上に取り組む費用を補助する。
対象者: 小規模事業者(業種ごとに従業員数の要件があります)。個人事業主も対象。
補助率と上限: 公募回・枠によって異なります[要確認: 現行の補助率と上限額]。通常枠のほか、賃金引上げ枠、創業枠などの特別枠が設けられることがあります。
創業枠は、創業から一定期間内の事業者が対象で、上限額が高く設定されることがあります。開業予定なら、この枠を確認する価値があります。
持続化補助金は「もらえるお金」ではなく「使った後に一部が戻る仕組み」。先に自分で支払える資金がないと、採択されても使えない。
対象になる経費・ならない経費
対象になりやすい経費: ①広報費(チラシ、広告出稿)②ウェブサイト関連費(サイト制作、EC構築。ただし上限の設定があることが多い)③展示会等出展費 ④開発費 ⑤機械装置等費 ⑥資料購入費 ⑦借料 ⑧設備処分費 ⑨委託・外注費。
対象にならない経費: ①人件費 ②家賃(通常の事業所賃料) ③汎用性の高いもの(パソコン、タブレット、スマートフォンなど)④中古品の一部 ⑤補助事業と関係のない支出 ⑥公募前に発注・支払いをしたもの。
⑥が重要です。採択・交付決定の前に発注すると、対象外になります。「先に買って、後から申請」はできません。
商工会議所・商工会の関与
この補助金は、商工会議所または商工会の「事業支援計画書」の発行が必要です(枠によります)。
つまり、申請前に窓口に相談し、書類を発行してもらう必要があります。発行には時間がかかるため、締切直前だと間に合いません。
だから、公募が始まったらすぐ相談に行く——これが実務上の要点です(商工会議所の創業支援)。
採択される計画書のポイント
①現状の課題が具体的。「売上が伸びない」ではなく、「新規顧客の獲得経路が紹介のみで、月◯件で頭打ち」。
②取り組み内容と課題の対応が明確。「この課題があるから、この施策をする」という因果が通っていること。
③数値目標がある。「売上◯%増」「新規顧客◯件」。根拠も添える。
④経費の内訳が具体的。見積書ベースで。
⑤自社の強みが書かれている。なぜ自社がこれをやると成果が出るのか。
「補助金がもらえるから何かやる」ではなく、「やりたいことがあり、その費用の一部を補助してもらう」——この順序で書かれた計画は通りやすい(創業計画書の書き方の考え方と共通です)。
あと払いという資金繰りの問題
補助金は原則、事業を実施し、支払いを終え、実績報告をした後に入金されます。
つまり、①先に全額を自分で支払う ②実績報告 ③検査 ④入金という流れ。入金までに数ヶ月かかることもあります。
だから、補助金は当座の資金にはなりません。資金繰りの土台は自己資金と融資で組み、補助金は上乗せ——この原則は変わりません(補助金・助成金・運転資金は何ヶ月分必要か)。
必要な手取りと資金繰りはライフプラン逆算で確認してください。
申請の流れ
①公募要領を読む(毎回変わります)。②商工会議所・商工会に相談し、事業支援計画書の発行を依頼。③申請書類を作成(経営計画書、補助事業計画書、見積書)。④電子申請(GビズIDが必要な場合があります。取得に時間がかかるため、早めに)。⑤審査・採択発表。⑥交付決定。⑦事業実施(交付決定後に発注)。⑧実績報告。⑨入金。
④のGビズIDは、取得に日数がかかります。申請を考えたら、まず取得してください。
よくある質問
Q. 創業前でも申請できますか?
開業届の提出など、事業者としての実体が必要な場合があります。創業枠の要件を確認してください。
Q. 採択率はどのくらいですか?
公募回によって変動します。計画書の質で差が出ます。
Q. 不採択でも再申請できますか?
次の公募回に再申請できます。不採択の理由を推定して改善してください。
Q. 複数回使えますか?
要件を満たせば可能な場合があります。公募要領で確認してください。
やりたいことが先、補助金は後
持続化補助金は、小規模事業者にとって使いやすい制度です。ただし、あと払いであり、対象経費が限定され、事前の相談が必要。「補助金をもらうために何かをする」のではなく、「やりたい施策の費用を一部補助してもらう」——この順序で使えば、有効な制度です。
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