女性が長く働ける会社の見分け方。届出データで確認する

求人票の「女性活躍中」「産休・育休取得実績あり」——これらの言葉から、実態はほとんど読めません。
ただ、企業が国に届け出ている数字を見れば、企業単位で確認できます。この記事では、その調べ方と、数字が出てこない場合の確認方法を整理します。
- 求人票の言葉が使えない理由
- 見るべき2つの数字
- 調べ方
- 数字が出てこない場合
- 規模の思い込みを外す
- 数字だけで決めない部分
- よくある質問
- 言葉ではなく、届け出た数字を見る
求人票の言葉が使えない理由
①基準がない。「女性活躍中」に定義はありません。女性社員が1人でもいれば書けます。
②「取得実績あり」は人数を示さない。1人でも実績です。取得率とは別の話です。
③復帰後の状況が分からない。取得できたかと、復帰後に続けられたかは別です。
だから、言葉ではなく数字を見る——ここが出発点になります(求人票の読み解き方)。
「女性活躍中」に基準はない。基準があるのは、企業が国に届け出ている数字のほう。
見るべき2つの数字
①女性管理職比率(女性管理職人数 ÷ 管理職全体人数)
なぜ効くか: 「女性が入社できるか」ではなく「女性が上がれるか」を示すからです。採用は入口の話、管理職比率は続いた結果の話です。
福岡の届出企業では中央値11.5%(n=198)。この水準と比べて、応募先が上か下かを見ます(福岡の女性管理職比率)。
②勤続年数の男女差
福岡の届出企業では、男性11.3年 / 女性8.6年、差の中央値は2.0年(n=121)。
差が小さい、あるいは女性のほうが長い企業は、続けられる環境がある可能性が高い。福岡では女性のほうが長い企業が21%ありました。
全データは福岡の大企業 女性活躍データに掲載しています。
調べ方
gBizINFO(経済産業省)で、企業名から検索できます。法人番号でも引けます。
確認の順番:
①応募先を検索する。②「職場情報」の項目を見る。③女性管理職人数と管理職全体人数、平均継続勤務年数の男女別を確認する。
注意: 届出は常時雇用301人以上に義務があり、それ未満は任意です。中小企業は載っていないことのほうが多い。
そして、任意で届け出ている中小企業は、それ自体が姿勢の表れと読めます。義務がないのに公開しているわけですから。
数字が出てこない場合
多くの中小企業は該当します。その場合は、面接で聞くしかありません。
聞き方: 「管理職に女性は何人いらっしゃいますか」。これは答えにくい質問ではありません。
答え方そのものが情報になります。即答できる/人数を把握しているなら、意識されている。曖昧な返答なら、そうではない。
もう1つ: 「産休・育休から復帰された方は、その後どういう働き方をされていますか」。制度の有無ではなく、復帰後の実態を聞く(面接での逆質問・育休明けの転職)。
規模の思い込みを外す
「大企業のほうが制度が整っている」——これは半分しか当たりません。
福岡の届出企業では、女性管理職比率は 50人未満で18.2%、1000人以上で5.3%でした。規模が大きいほど比率が下がります。
制度の有無と、実際に上がれるかは別です。大企業は制度が整っている一方、管理職の階層が深く、上がるまでの年数が長い。
だから、規模で決めずに、企業単位で数字を見る(大企業 vs 中小企業の待遇差)。
数字だけで決めない部分
数字に出ない要素もあります。
①勤務地と転勤。転勤があるかは、続けられるかに直結します。
②残業と繁忙期。制度があっても、実際の労働時間で続かないことがあります(残業の実態)。
③直属の上司。会社の平均より、配属先の環境のほうが日々に効きます。これは面接で会う人から推測するしかありません。
④自分が必要とする年収。働きやすさだけで選ぶと、生活が回らないことがあります。先に必要額を出しておいてください(ライフプラン・年収チェッカー)。
よくある質問
Q. gBizINFO は誰でも見られますか?
公開されています。企業名または法人番号で検索できます。
Q. 届け出ていない会社は避けるべきですか?
そうとは限りません。301人未満は義務がないためです。面接で確認するという段取りに切り替えてください。
Q. 女性管理職比率が高ければ働きやすいですか?
相関はあると考えられますが、それだけでは決まりません。勤務地・残業・評価制度も合わせて見てください。
Q. 転職の時期はいつがいいですか?
ライフイベントとの兼ね合いで決まります。育休明け直後は評価が定まりにくいため、時期の判断が必要です(育休明けの転職・働くママの転職)。
言葉ではなく、届け出た数字を見る
「女性活躍中」に基準はありませんが、企業が国に届け出ている数字には基準があります。女性管理職比率と勤続年数の男女差——この2つを企業単位で確認する。届け出ていなければ面接で聞く。そして、規模が大きいほど働きやすいという思い込みは、数字では支持されません。
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