← コラム一覧

初めての転職で職務経歴書を書く。新卒の履歴書との違いから解説

寺木 健人
監修:寺木 健人転職・キャリア担当・人材業界出身

初めての転職で、求人に応募しようとしたら「履歴書と職務経歴書を提出してください」と書いてある。履歴書は新卒のときに書いたから分かる。でも職務経歴書は書いたことがない——ここで止まってしまう人は、とても多いです。

先に安心してほしいのですが、職務経歴書は「転職回数が多い人のための書類」ではありません。社会人経験が1社・3年でも普通に書けますし、企業も1社経験の応募者に長い経歴を期待していません。必要なのは、履歴書との役割の違いを理解して、自分の3年なり5年なりの仕事を具体的に言葉にすることだけです。この記事では、初めて職務経歴書を作る人向けに、違い・構成・例文・注意点の順で解説します。

このコラムでわかること
  1. 履歴書と職務経歴書は役割がまったく違う
  2. 1社しか経験がなくても、書くことは足りる
  3. 構成と書く順番——上から書かない
  4. 職務要約の例文——1社経験の3パターン
  5. 初めての転職でやりがちなNG
  6. 書き終えたら——初めての転職はここからが本番
  7. よくある質問

履歴書と職務経歴書は役割がまったく違う

履歴書はプロフィールの確認書類です。氏名・住所・学歴・職歴(社名と入退社年月だけ)・資格を、決まった様式で伝えます。新卒就活の履歴書と本質は同じで、様式に沿って埋めれば完成します。

職務経歴書は仕事内容のアピール書類です。「どの会社にいたか」ではなく「そこで何をやって、何ができるようになったか」を伝えます。決まった様式はなく、A4用紙1〜2枚に自分で構成して書きます。中途採用の選考で読み込まれるのは圧倒的にこちらです。中途採用は「入社後に何ができる人か」の採用だからです。

新卒との一番の違いはここです。新卒はポテンシャルの採用なので学生時代の経験を聞かれましたが、中途は実務の再現性を見られます。志望動機よりも先に、職務経歴書の中身が土俵になります。

1社しか経験がなくても、書くことは足りる

「3年しか働いていないのに、書くことがない」——初めての転職で決まって出てくる不安ですが、これはほぼ誤解です。書くことがないのではなく、自分の仕事を「書くに値すること」として認識していないだけです。

たとえば「営業アシスタントとして事務作業をしていただけ」という人の仕事を分解すると、「営業10名の受発注処理を1日平均30件、ミスなく処理」「顧客からの問い合わせ一次対応」「見積書・契約書の作成」「新人アシスタントへの引き継ぎ資料作成」——これは立派な職務経歴です。担当業務の分解のしかたは白紙から2時間で仕上げる手順の棚卸しリストを使ってください。数字の実績が思いつかない場合は実績の見つけ方も参考になります。

1社経験の場合の構成上のコツは、社内の変化を時期で区切ることです。「入社〜1年目: OJTのもと〇〇を担当」「2年目〜: 担当顧客を持ち〇〇」「3年目〜: 後輩指導を兼務」。1社でも役割は変わっているはずで、この区切りが成長の証明になります。

POINT

職務経歴書は転職回数が多い人の書類ではない。1社・3年でも「時期ごとの役割の変化+具体的な業務+できるようになったこと」で書ける。新卒の履歴書と違い、見られるのはポテンシャルではなく実務の再現性。

構成と書く順番——上から書かない

標準的な構成は「職務要約(3〜5行)→職務経歴(会社・時期ごとの業務と実績)→活かせる経験・スキル→保有資格→自己PR」です(項目の並びの考え方は順番の記事で詳しく)。

ただし、書くときは上から書かないでください。冒頭の職務要約は経歴全体の要約なので、先に職務経歴の欄を作ってから最後に書くほうが、圧倒的に速く書けます。作成はパソコンで問題ありません。むしろ手書きは避けるのが現代の標準です(手書きかパソコンか)。

職務要約の例文——1社経験の3パターン

冒頭の職務要約は、採用担当が最初に読む3〜5行です。1社経験の場合の型は「在籍年数と職種→担当業務の要点→強みや実績→転職で目指す方向」。

営業職の例:「新卒で機械部品商社に入社し、法人営業として4年間勤務してきました。福岡県内の製造業約60社を担当し、既存顧客の深耕とルート営業が中心です。3年目以降は新規開拓も担当し、年間12社の新規口座を開設しました。今後は提案の幅が広い無形商材の営業に挑戦したいと考えています」

事務職の例:「食品卸売企業で営業事務として5年間勤務してきました。受発注処理(1日平均40件)、請求書発行、電話・メールでの顧客対応が主業務です。Excelでの集計業務を得意とし、手作業だった月次集計の関数化により作業時間を月10時間削減しました。正確性と改善提案の姿勢を評価いただいています」

販売職の例:「アパレル企業に入社し、販売スタッフとして3年間勤務してきました。天神の路面店で接客・在庫管理・売場作りを担当し、2年目には個人売上で店舗2位を達成。3年目からは新人2名の教育係を務めています。接客で培った提案力を法人向けの仕事で活かしたいと考えています」

どの例文も「規模や数字を1つ以上」入れています。自分の数字に差し替えれば、そのまま使える型です。

初めての転職でやりがちなNG

①業務の羅列で終わる。「〜を担当。〜も担当。」の連続は業務日誌です。1つでいいので、工夫したこと・変化させたことを添えてください。②謙遜が過ぎる。「大した経験ではありませんが」は書類では減点にしかなりません。事実を淡々と書けば十分です。③退職理由を書類に書き込む。職務経歴書に不満や退職の経緯は不要です。聞かれたら面接で答えるもので、伝え方は転職理由の記事を参考にしてください。④新卒就活の感覚で自己PRを書く。「明るさが持ち味です」より「クレーム対応を任されることが多く、〜」。性格ではなく行動と実務で語ります。

書き終えたら——初めての転職はここからが本番

職務経歴書が形になったら、転職活動の準備は半分終わっています。書類を書く過程でやった棚卸しが、そのまま面接の答えの材料になるからです。

あとは応募先選びですが、初めての転職では「自分の職種が今、市場でどれくらい求められているか」の感覚がないまま応募して消耗するケースが目立ちます。福岡で動くなら、職種別の求人倍率データで需給を、年収チェッカーで自分の条件の相場を先に見てください。相場観があるだけで、求人票の見え方が変わります。それでも「そもそも転職すべきかから迷っている」なら、書類を作る前の段階から、ひとりで抱えずに相談する選択肢もあります。

よくある質問

Q. 職務経歴書は何枚書けばいいですか?

社会人3〜5年・1社経験ならA4用紙1枚で十分です。無理に2枚にする必要はありません。上限の目安は2枚で、詳しくは枚数の記事にまとめています。

Q. 履歴書の職歴欄と内容が重複してもいいですか?

会社名と年月は重複して構いません(むしろ一致していないと不審です)。ただし履歴書の職歴欄は「入社・退社の事実」だけ、職務経歴書は「仕事の中身」と役割分担してください。同じ文章のコピーは不要です。

Q. 在職中に書くべきですか? 辞めてから書くべきですか?

在職中を勧めます。収入が途切れないという実利に加え、「現職で今も使っているスキル」として書ける内容は、離職後より鮮度が高く評価されます。在職中の職歴欄の書き方(「現在に至る」の使い方)は履歴書側の作法で、これは別途確認してください。

Q. アルバイト経験しかない期間も書いていいですか?

正社員登用を狙う転職や、業務内容が応募職種に関連する場合は書いて構いません。フルタイムに近い勤務で実務を担っていたなら、雇用形態を明記した上で職務経歴として扱えます。

Q. 自己PRと志望動機の違いが分かりません。

自己PRは「自分の強み」を自分→企業の向きで、志望動機は「その会社を選んだ理由」を企業→自分の向きで書くものです。職務経歴書に必須なのは自己PRのほうで、志望動機は履歴書側に書きます。書き分けは志望動機の記事で解説しています。

NEXT READ応募書類派遣社員の経歴を履歴書・職務経歴書にどう書くか。派遣元と派遣先の書き分け応募書類自己PRが書けないのは強みがないからではない。棚卸しの質問30応募書類職務経歴書に書くことがない、は思い込み。実績の見つけ方
GUIDEまとめ福岡で転職するなら。求人動向・年収相場・進め方の完全ガイド