福岡で1年間に転職した人は5.5%で九州最多。転職を望む理由と、年収が上がりやすい条件

「転職すれば年収は上がるのか」。転職を考えはじめた人が、最初に知りたいことのひとつです。そして福岡で働いていると、周りで転職する人が多いと感じることもあるかもしれません。
結論から言うと、福岡県で働く人のうち、1年間に転職した人は5.5%で、全国(4.6%)より多く、九州7県で最も多い水準です(総務省「就業構造基本調査」2022年)。転職を望んでいる人も10.3%います。転職を望む理由の上位は、「時間的・肉体的に負担が大きい」と「収入が少ない」がほぼ同じ割合で並びます。では転職で年収は上がるのか。全国の統計では、転職した人のうち前の職場より賃金が増えた人は40.8%、減った人は31.0%です(厚生労働省「雇用動向調査」2025年)。上がるかどうかは、年齢と働き方の変え方で大きく変わります。
- 福岡は、九州でいちばん転職が多い
- 転職が多いのは20代後半
- 転職したい理由は「負担」と「収入」
- 転職で年収は上がるのか
- 年収が上がりやすい条件
- 福岡で転職を考えるときに
- よくある質問
- 数字は、転職を急がせるためのものではない
福岡は、九州でいちばん転職が多い
就業構造基本調査では、過去1年間に仕事を変えた人(転職者)の数がわかります。今働いている人に占める、1年間の転職者の割合を比べました。
| 地域 | 1年間に転職した人の割合 | 転職を望んでいる人の割合 |
|---|---|---|
| 福岡県 | 5.5% | 10.3% |
| 福岡市 | 5.9% | 11.4% |
| 熊本県 | 4.8% | 9.0% |
| 鹿児島県 | 4.5% | 8.9% |
| 佐賀県 | 4.2% | 9.1% |
| 宮崎県 | 4.2% | 8.5% |
| 大分県 | 4.1% | 8.8% |
| 長崎県 | 3.7% | 8.4% |
| 全国 | 4.6% | 9.7% |
| 東京都 | 5.5% | 10.7% |
(就業構造基本調査2022年。転職した人の割合は、2022年10月時点で働いている人のうち過去1年間に転職した人。転職を望んでいる人の割合は、働いている人のうち「転職したい」と答えた人)
福岡県の1年間の転職者は約14万2,000人です。割合は東京(5.5%)と同じ水準で、九州の他の6県(3.7〜4.8%)を上回ります。福岡市に限ると5.9%で、働く人の約17人に1人が1年のうちに職場を変えています。
転職を望んでいる人も、福岡県では約27万3,000人、働く人の10.3%で、九州で最も高い割合です。そのうち実際に求職活動をしている人は約12万人(約44%)でした。
福岡に転職が多い背景には、九州の中で求人の数と種類が最も多いことがあると考えられます。選べる仕事が多い街では、「今の職場が合わなければ移る」という選択が現実的になります。
転職が多いのは20代後半
年代別に見ると、転職の多さは若い世代で際立っています。
| 年代 | 福岡・1年間に転職した人 | 全国・1年間に転職した人 | 福岡・転職を望んでいる人 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 10.0% | 9.5% | 20.3% |
| 25〜29歳 | 12.0% | 8.8% | 15.9% |
| 30〜34歳 | 7.1% | 6.2% | 13.6% |
| 35〜39歳 | 5.9% | 4.9% | 12.8% |
| 40〜44歳 | 5.7% | 4.4% | 9.8% |
| 45〜49歳 | 3.9% | 3.7% | 9.8% |
| 50〜54歳 | 3.6% | 3.1% | 10.2% |
福岡の25〜29歳は、1年間に8人に1人(12.0%)が転職しています。全国(8.8%)より3ポイント以上高い水準です。30代・40代も、全国より転職する人の割合が高くなっています。
転職を望んでいる人の割合は20〜24歳で20.3%と最も高く、年代が上がるにつれて下がりますが、50〜54歳でも約1割の人が転職を考えています。
転職したい理由は「負担」と「収入」
転職を望んでいる人に、その理由を聞いた結果です。
| 転職を望む理由(福岡県) | 全体 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 時間的・肉体的に負担が大きい | 26.9% | 24.0% | 29.4% |
| 収入が少ない | 26.4% | 26.7% | 26.0% |
| 一時的についた仕事だから | 9.9% | 11.1% | 8.9% |
| 事業不振や先行き不安 | 7.9% | 11.0% | 5.1% |
| 知識や技能を生かしたい | 6.3% | 6.5% | 6.1% |
| 余暇を増やしたい | 3.9% | 4.4% | 3.5% |
| 定年または雇用契約の満了に備えて | 2.9% | 3.1% | 2.7% |
| 家事の都合 | 1.9% | 1.0% | 2.7% |
| その他 | 13.8% | 12.0% | 15.5% |
「負担が大きい」と「収入が少ない」が、それぞれ約4人に1人で並んでいます。男性では「収入が少ない」がわずかに多く、女性では「負担が大きい」が約3割で最も多い理由です。男性は「事業不振や先行き不安」も11.0%と、女性の約2倍になっています。
「収入」を理由に転職を考える人は多い一方で、同じくらい多くの人が「働き方の負担」を理由にしています。転職で何を変えたいのかによって、選ぶべき職場は変わります。年収を上げたいのか、負担を減らしたいのか。両方を同時に満たす転職は簡単ではないため、優先順位を決めておくことが大切です。
転職で年収は上がるのか
では、実際に転職した人の賃金はどう変わったのか。ここからは福岡県の数字がないため、全国の数字(厚生労働省「雇用動向調査」2025年)で見ます。前の職場の賃金と比べて、転職後の賃金がどう変わったかの割合です。
| 転職した人の賃金の変化(全国) | 割合 |
|---|---|
| 増加した | 40.8% |
| うち1割以上増加 | 28.2% |
| うち3割以上増加 | 9.0% |
| 変わらない | 25.5% |
| 減少した | 31.0% |
| うち1割以上減少 | 21.9% |
転職した人のうち、賃金が増えたのは約4割、減ったのは約3割です。「転職すれば上がる」とも「転職すると下がる」とも言えず、上がる人のほうがやや多い、というのが実態です。1割以上増えた人は約3割、3割以上増えた人は約1割にとどまります。
年収が上がりやすい条件
どんな転職なら賃金が上がりやすいのか。同じ統計から、年齢と働き方の変え方で比べます。
| 年代(全国) | 増加 | 減少 |
|---|---|---|
| 20〜24歳 | 55.2% | 17.5% |
| 25〜29歳 | 49.8% | 23.9% |
| 30〜34歳 | 48.6% | 29.0% |
| 35〜39歳 | 43.5% | 23.9% |
| 40〜44歳 | 44.9% | 27.4% |
| 45〜49歳 | 41.1% | 30.1% |
| 50〜54歳 | 29.4% | 42.0% |
| 55〜59歳 | 25.5% | 38.9% |
20代から40代までは、増えた人が減った人を上回ります。とくに20代では約5〜6割の人が増えています。ところが50代になると逆転し、50〜54歳では減った人(42.0%)が増えた人(29.4%)を上回ります。福岡で転職する人の多い20代後半は、年収面でも転職が有利に働きやすい年代だと言えます。40代で年収が下がる場合の考え方は40代転職で年収が下がるときで整理しています。
働き方の変え方でも、結果は大きく違います。パートタイムからフルタイム(一般労働者)に移った人は76.3%が賃金増加です。反対に、フルタイムからパートタイムに移った人は72.7%が減少しています。これは働く時間そのものが変わるためで、当然といえば当然の結果です。フルタイムどうしの転職では、増加42.0%、減少31.5%でした。期間の定めのない雇用(いわゆる無期雇用)どうしの転職では増加が45.1%と、全体よりやや高くなります。
非正規から正社員を目指す転職は、年収の面でも効果が大きいということです。派遣から正社員を目指す方法は派遣から正社員になる3つのルートにまとめています。
福岡で転職を考えるときに
ここまでの数字を、福岡で転職を考える人の立場で整理します。
1. 福岡では転職は珍しくない。1年間に働く人の5.5%、25〜29歳では8人に1人が転職しています。転職を考えること自体に、後ろめたさを感じる必要はありません。
2. 何を変えたいのかを決める。転職の理由は「負担」と「収入」が半々です。年収を上げたいのか、負担を減らしたいのかで、選ぶ職場は変わります。
3. 年齢で見込みが変わる。全国の統計では、40代までは賃金が増える人のほうが多く、50代で逆転します。年収を上げる転職をするなら、早いほうが有利な傾向があります。
4. 自分の相場を知っておく。転職で年収が上がるかどうかは、今の年収が同じ条件の人と比べて高いか低いかにも左右されます。自分の年収の位置は賃金チェッカーで確かめられます。福岡の求人の状況は福岡の採用市場のデータ、転職の進め方の全体像は福岡で転職するならにまとめています。
よくある質問
Q. 福岡は転職する人が多いのですか?
はい。福岡県で1年間に転職した人は、働く人の5.5%で、全国(4.6%)より多く、九州7県で最も多い割合です(就業構造基本調査2022年)。25〜29歳では12.0%です。
Q. 転職すると年収は上がりますか?
全国の統計では、転職した人のうち賃金が増えた人は40.8%、変わらない人は25.5%、減った人は31.0%です(雇用動向調査2025年)。増える人のほうがやや多いものの、上がるとは限りません。福岡県だけの数字は公表されていません。
Q. 何歳までなら転職で年収が上がりやすいですか?
全国の統計では、20代から40代までは賃金が増えた人が減った人を上回ります。50〜54歳では増加29.4%、減少42.0%と逆転します。
Q. 福岡で転職を考える人の理由で多いのは何ですか?
「時間的・肉体的に負担が大きい」(26.9%)と「収入が少ない」(26.4%)がほぼ同じ割合で上位です。女性では「負担が大きい」が29.4%で最も多くなっています。
数字は、転職を急がせるためのものではない
福岡は、九州でいちばん転職が多い地域です。そして転職で年収が上がる人は、全国では約4割。上がる人のほうがやや多いものの、下がる人も約3割います。
転職は、年収を上げる手段にも、負担を減らす手段にもなります。ただ、どちらを優先するのかを決めないまま動くと、どちらも中途半端になりがちです。自分がなぜ転職したいのか、何を変えたいのかを一度整理してから、選択肢を比べてみてください。

「辞めるべきか、残るべきか。その手前の整理から一緒にやります。」
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