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フランチャイズをおすすめしない理由と、それでも向くケース

久保 塁
監修:久保 塁起業・独立担当・現役経営者

「未経験でも本部のサポートがあるから安心」——フランチャイズ(FC)の説明会でよく聞く言葉です。実際、仕組みとしては合理的な面があります。ただ、独立の相談を受ける立場からは、まず慎重に検討することを勧めます

結論から言うと、FCは「ブランドと仕組みを買う」代わりに、「裁量とロイヤリティ」を差し出す契約です。この交換が自分にとって割に合うかどうかが、判断のすべてです。この記事では、確認項目と、FCが合理的になる条件を整理します。

このコラムでわかること
  1. 慎重に検討すべき理由
  2. 契約前に確認すべき8項目
  3. 失敗の典型
  4. それでもFCが合理的になる3つの条件
  5. 投資型FCへの注意
  6. 資金の考え方
  7. よくある質問
  8. 買っているものが何かを、はっきりさせる

慎重に検討すべき理由

①ロイヤリティが固定費になる。売上歩合型なら売上が落ちても率は変わらず、定額型なら売上ゼロでも発生します。自分で始めた事業なら発生しない支出です。

②裁量が限定される。仕入先、価格、メニュー、内装、営業時間。改善したいと思っても、本部の承認が必要な場面があります。

③契約期間の縛り。中途解約時の違約金、契約終了後の競業避止義務(同種の事業を一定期間できない)。

④収支シミュレーションが楽観的な場合がある。提示されるモデルは、成功している店舗の数字であることがあります。平均値と、下位の店舗の数字を必ず確認してください。

⑤本部の経営リスク。本部が傾けば、ブランド価値も供給も影響を受けます。

POINT

FCの判断は「利益が出るか」ではなく「ロイヤリティを払ってでも、ブランドと仕組みが必要か」。自分で作れるものに毎月払うのは、ただの固定費。

契約前に確認すべき8項目

①法定開示書面。中小小売商業振興法により、一定のFC本部には加盟希望者への事前開示義務があります。書面が出ない本部は、その時点で避けてください

②ロイヤリティの方式と率(売上歩合か定額か、率はいくらか)。③加盟金・保証金の額と、返還条件④契約期間、更新条件、中途解約の違約金⑤契約終了後の競業避止義務(期間と範囲)。⑥仕入れの縛り(本部指定の価格が相場より高くないか)。⑦既存加盟店の実績平均だけでなく、下位25%の数字)。⑧既存加盟店への直接の聞き取り(本部を通さずに、実際の加盟店オーナーに話を聞く)。

⑧が最も重要です。本部の説明ではなく、実際に運営している人の話を複数聞いてください。断られる本部なら、そこも情報です。

失敗の典型

①シミュレーション通りに客が来ない。立地の評価が甘い、競合が想定より多い。②ロイヤリティと本部指定の仕入れで利益が残らない③人手が確保できない(人件費が想定を超える)。④解約したいが違約金と競業避止で身動きが取れない⑤本部のサポートが説明と違う

④が最も苦しいやめることも、続けることも損失になる状態です。だから、中途解約の条件は契約前に必ず確認してください。

それでもFCが合理的になる3つの条件

中立に見て、FCが合理的な選択になる場合があります。

①ブランド認知が集客に直結する業態。コンビニ、有名飲食チェーン、大手学習塾。個人では作れない認知を買う意味があります。

②仕入れ・物流の規模が効く業態。個人では調達できない価格・品質を、本部経由で得られる。

③運営ノウハウが標準化されており、未経験からの立ち上げが速い自分で試行錯誤する時間を、お金で買うという判断。

これに加えて、④自分がその業態の経験を持っていない、かつ⑤資金に余裕がある場合、FCは検討に値します。

逆に、経験がある業態で、自分でブランドを作れるなら、FCのメリットは小さいひとり起業に向く業種)。

投資型FCへの注意

コインランドリー、無人店舗、自販機、レンタルスペースなど、「オーナーは運営しない」タイプのFC・投資案件は、別の注意が必要です(コインランドリー経営の失敗)。

「不労所得」を謳う案件は、①想定利回りの根拠 ②機器の減価償却と更新費用 ③立地の競合 ④撤退時の残債を必ず検証してください。

資金の考え方

FCは加盟金・保証金・研修費・物件・内装で、自力開業より初期費用が大きくなることがあります。必要資金の全体像は起業資金はいくら必要か、運転資金は運転資金は何ヶ月分必要か、必要な手取りはライフプラン逆算で確認してください。

融資審査でも、FCの収支計画をそのまま出すのではなく、自分で検証した数字が求められます(創業計画書の書き方)。

よくある質問

Q. 説明会に行くだけでも大丈夫ですか?

問題ありません。ただし、その場で契約しないこと。持ち帰って、複数の本部と比較し、既存加盟店に聞く——この3工程を必ず挟んでください。

Q. ロイヤリティの相場は?

業態と方式で幅があります。率よりも、それを払った後に手元にいくら残るかで判断してください。

Q. 契約書は弁護士に見てもらうべきですか?

金額が大きい契約なので、見てもらう価値は十分にあります。とくに中途解約と競業避止の条項。

Q. 自分でやるのとFC、どちらが安全ですか?

一概には言えません。経験がある業態なら自力、まったく未知の業態ならFCという整理が実務的です。

買っているものが何かを、はっきりさせる

FCを検討するとき、判断が曖昧になるのは「何を買っているか」が言葉になっていないからです。ブランドか、仕組みか、仕入れか、時間か。それが自分にとって毎月のロイヤリティに見合うか——ここを言葉にできれば、答えは出ます。

その案件が妥当かどうか。福岡で実際に創業した経営者に無料で相談できます。契約前にお持ちください。

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