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デザイナーの独立。事業として成立させる単価設計

久保 塁
監修:久保 塁起業・独立担当・現役経営者

デザイナーの独立は、技術があれば始められる一方、事業として成立させるのが難しい職種でもあります。理由は明確で、工数が読みにくく、修正が無限に発生しうるからです。

結論から言うと、単価設計と契約条件が、そのまま収入を決めます。腕前ではありません。この記事では、成立させるための設計を整理します。

このコラムでわかること
  1. なぜ工数が読みにくいのか
  2. 単価の決め方
  3. 契約で決めるべき5項目
  4. 上流に上がる効果
  5. 継続案件に変える
  6. 案件の作り方
  7. 実務の準備
  8. よくある質問
  9. 契約条件が、そのまま収入になる

なぜ工数が読みにくいのか

①要件が言語化されていない。「かっこよく」「おしゃれに」——判断基準が主観

②意思決定者が複数いる。担当者はOKでも、社長が見て変わる。

③修正の回数が決まっていない

④素材が揃わない(写真、原稿、ロゴ)。待ち時間が工数になります

この4つを契約で潰すことが、単価を守る唯一の方法です。

POINT

デザイナーの収入を決めるのは単価表ではなく、修正回数と意思決定者を契約で決めているかどうか。ここが曖昧な案件は、いくらで受けても赤字になる。

単価の決め方

①時給換算の目標を決める必要な年収 ÷ 年間の実作業時間営業・打ち合わせ・経理の時間を除いた実作業時間で計算してください(ライフプラン逆算フリーランスになるには)。

②想定工数を出す過去の案件の実測が基準になります。記録を取っていないなら、今日から取ってください

③時給 × 想定工数 × バッファ(1.2〜1.5倍)

バッファが重要です。想定通りに終わる案件はほぼありません

④価格表を作る。「ロゴ制作 ◯万円(修正2回まで)」。都度見積もりだと、毎回安く見積もってしまいます

契約で決めるべき5項目

①修正回数。「初稿提出後、修正2回まで。以降は1回あたり◯円」。これがないと、時給が破綻します

②意思決定者。「最終決定はどなたが行いますか」。確認しておくと、後からのちゃぶ台返しが減ります

③素材の提供期限。「◯日までに素材をご提供ください。遅延した場合、納期を調整します」。

④著作権の扱い譲渡するか、利用許諾か譲渡する場合は、その分を単価に反映してください。二次利用の範囲(Web用に作ったものを印刷物に使う等)も決めておく。

⑤検収と支払期日

この5項目を契約書に入れるだけで、収入は変わります

上流に上がる効果

「言われた通りに作る」から「何を作るかを決める」に移ると、単価が変わります

上流の仕事: ①要件のヒアリングと整理 ②課題の定義 ③情報設計 ④ブランドの方向づけ ⑤効果測定と改善提案。

同じ制作物でも、①〜⑤を含むと報酬が数倍になります。そして、この部分はAIや低単価の外注では代替しにくい

上流に上がる方法: 「なぜこのデザインにしたか」を毎回説明する数字で語る(CVR、離脱率、問い合わせ数)。提案書を作る福岡のWebマーケター転職ガイドの数字の考え方が使えます)。

継続案件に変える

単発の制作だけだと、毎月ゼロから営業することになります。

継続の形: ①運用・更新の月額契約(バナー、SNS、サイト更新)②顧問的なデザイン相談(月◯時間)③定期的な制作(月刊の販促物、季節ごとのキャンペーン)。

②が単価も高く、工数も読める形です。「月3万円で、デザインの相談と軽微な制作」。10社あれば月30万円の土台になります(Web制作フリーランスになるの保守契約と同じ発想です)。

案件の作り方

①制作会社・広告代理店の下請け営業不要で、仕様が固まっている。単価は抑えられます。

②直請け(中小企業、店舗)。単価は高いが、要件整理の工数が乗る

③知人・前職の関係

④発信(制作実績、考え方の公開)。

⑤地域のつながり商工会議所の創業支援)。

福岡は中小企業が集積しており、②の需要があります「デザインを外注したいが、どこに頼めばいいか分からない」という事業者は実在します福岡で起業する)。

実務の準備

①開業届・青色申告個人事業主の始め方)。②インボイスの判断制作会社経由が中心なら登録を検討個人事業主はインボイス登録すべきか)。③賠償責任保険(納品物のトラブル)。④資金繰り支払サイトが長い場合の備え運転資金は何ヶ月分必要か)。

よくある質問

Q. 相場はいくらですか?

相場より、自分の必要額から逆算してください。相場に合わせると、時給が合わないことがあります。

Q. 修正回数を決めると嫌がられませんか?

むしろ、事前に決めるほうが信頼されます。「修正は2回まで」は、双方にとって予測可能性を高めます。

Q. AIでデザインが作れる時代に、需要はありますか?

「何を作るか決める」部分と「責任を持って納める」部分の需要は残ります。上流に寄せる設計が、そのまま生存戦略になります。

Q. 独立のタイミングは?

継続案件が1〜2本、生活防衛資金が12ヶ月分副業から独立へ)。

契約条件が、そのまま収入になる

デザイナーの独立で収入を決めるのは、腕前ではなく単価設計と契約条件です。修正回数、意思決定者、素材の期限、著作権。この4つを毎回決めるだけで、同じ仕事でも手元に残る額が変わります。

自分のスキルなら、どう設計すべきか。福岡で実際に創業した経営者に無料で相談できます。

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