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職務経歴書は「ですます」と「である」どっち?文体の使い分け

寺木 健人
監修:寺木 健人転職・キャリア担当・人材業界出身

職務経歴書を書き始めて、最初の一文で手が止まる。「〜を担当しました」なのか、「〜を担当した」なのか。検索すると両方の意見が出てきて、余計に迷う——この記事はその迷いを終わらせるために書きます。

結論から言うと、どちらでも選考結果には影響しません。影響するのは、文書の中で文体が統一されているかどうかです。「担当しました」と「担当した」が同じ書類に混在していると、読み手は内容より先に不揃いに気づきます。逆に、どちらかで通してあれば文体が話題になることはありません。そのうえで、職務経歴書という書類の性質には「である調+体言止め」がやや向いています。以下、理由と使い分けを説明します。

このコラムでわかること
  1. 結論——文体で合否は決まらない。決めるのは統一感
  2. 「である調・体言止め」が職務経歴書に向く理由
  3. 「ですます調」で書くならこう書く
  4. 履歴書との使い分け
  5. NG例で見る——混在はこう起きる
  6. 敬語はどこまで必要か——「させていただく」問題
  7. 文体より効く「読みやすさ」の3要素
  8. よくある質問

結論——文体で合否は決まらない。決めるのは統一感

採用担当者は職務経歴書を1通あたり数十秒から数分で読みます。見ているのは経歴とスキルの中身であって、文末の形ではありません。文体が「ですます」だから丁寧な人だ、「である」だから傲慢だ、という評価は実務では起きません。

ただし、文体の混在だけは目に留まります。混在は「見直していない」「文書作成が粗い」というシグナルとして読まれ、書類全体の信頼度を下げます。つまり文体選びで考えるべきことは一つだけです。どちらかに決めて、最後まで通す。書き終えたら、文末だけを目で追って混在がないか確認する。それで文体の問題は終わりです。

なお、職務経歴書の中身の組み立て——職務要約・職歴・自己PRに何を書くか——は職務経歴書の書き方で解説しています。文体は器の話なので、この記事で片付けて、時間は中身に使ってください。

「である調・体言止め」が職務経歴書に向く理由

職務経歴書は、事実を高密度に伝える書類です。限られた紙面に職歴・実績・スキルを詰めるので、1文字でも短い表現が有利になります。

「〜を担当しました」(10文字)と「〜を担当」(4文字)を比べると、情報量は同じで長さは半分以下です。この差が書類全体で積み重なると、同じ内容がより少ない行数に収まり、余白が生まれ、読みやすくなります。A4用紙1〜2枚に収める編集の観点でも、簡潔な文体は効きます。

実務では、箇条書き部分は体言止め(名詞で終える形)、文章部分はである調という組み合わせが職務経歴書の標準形です。例を示します。

担当業務の箇条書きなら「法人営業(既存顧客60社の深耕・新規開拓)」「月次売上レポートの作成・部内共有」のように体言止めで並べる。職務要約や自己PRのような文章部分は「〜に従事した。〜を達成した」とである調で書く。この形が最も紙面効率が高く、読み手の目も速く走ります。

POINT

職務経歴書の文体は「ですます」「である」どちらでも減点されない。決め手は文書内の統一だけ。紙面効率では「箇条書きは体言止め+文章はである調」が標準形で、ですます調で書くなら履歴書・添え状との統一感という利点がある。混在だけは避ける。

「ですます調」で書くならこう書く

一方、ですます調にも合理性があります。履歴書の学歴・職歴欄以外の記述(志望動機・本人希望欄)や、添え状・メール本文は、ですます調で書くのが通例です。応募書類一式をですます調で揃えると、書類全体のトーンが一貫します。文章を書き慣れていない人にとっては、普段のビジネスメールと同じ文体で書けるという書きやすさもあります。

ですます調で書く場合のコツは、文末の単調さを箇条書きで断ち切ることです。「〜しました。〜しました。〜しました」が3連続すると、内容が良くても幼い印象になります。連続しそうになったら、その部分は箇条書きに切り替えて体言止めにする。実は、ですます調の書類でも箇条書き部分は体言止めにしてかまいません。「文章はですます、箇条書きは体言止め」という組み合わせも、統一感を損なわない標準的な形です。

つまり選択肢は実質2つです。①文章=である+箇条書き=体言止め(紙面効率重視)、②文章=ですます+箇条書き=体言止め(書類一式のトーン統一重視)。どちらを選んでも減点はありません。迷うなら、書きやすいほうを選んでください。書きやすい文体のほうが、推敲の回数が増え、結果的に中身が良くなります。

履歴書との使い分け

履歴書と職務経歴書で文体を変えることは、問題ありません。そもそも役割が違う書類です。履歴書は定型フォーマットの「プロフィール票」で、学歴・職歴欄は「株式会社◯◯ 入社」のような定型表記、志望動機欄はですます調が通例です。職務経歴書は自由形式の「実務能力のプレゼン資料」で、上で述べたとおり、である調・体言止め中心が標準です。

「履歴書はですます、職務経歴書はである」という組み合わせは、この役割の違いから来る自然な形なので、不統一とは見なされません。統一が求められるのは一つの書類の中です。書類をまたいだ文体の違いを気にする必要はありません。

メールで応募書類を送る場合、メール本文はですます調で書きます。ここをである調にすると、書類の文体ルールをメールにまで持ち込んだ不自然な文面になります。文体は書類の種類ごとに切り替えるものだと覚えてください。

NG例で見る——混在はこう起きる

文体の混在は、意図してやる人はいません。起きるのは決まって「書き足したとき」です。典型例を見てください。

NG例:「営業事務として受発注業務を担当。2024年からはチームリーダーとして後輩2名の指導も行いました。在庫管理システムの入れ替えでは現場側の要件整理を担当し、移行を完了させた」。——1文目は体言止め、2文目はですます、3文目はである調。3つの文体が3文に同居しています。おそらく最初に体言止めで骨子を書き、後日エピソードを書き足し、さらに別の日に推敲した結果です。

直し方は機械的でいい。このブロックを「文章」と決めたなら全文をである調に、「箇条書き」と決めたなら全行を体言止めに揃えるだけです。である調に揃えると:「営業事務として受発注業務を担当。2024年からはチームリーダーとして後輩2名の指導も行った。在庫管理システムの入れ替えでは現場側の要件整理を担当し、移行を完了させた」。内容は一切変えずに、読み味だけが安定しました。

見直しの実務としては、文末だけを縦に拾い読みするのが速い方法です。内容を読みながらだと文末の不揃いは見落とします。「〜した/〜ました/〜担当」と文末だけを目で追えば、混在は数十秒で見つかります。

敬語はどこまで必要か——「させていただく」問題

ですます調で書く人が次にはまるのが、敬語の程度です。結論を言うと、職務経歴書に謙譲表現はほぼ不要です。

「営業を担当させていただきました」「目標を達成させていただきました」——この「させていただく」は、職務経歴書では冗長なだけでなく、文字数を圧迫し、実績の主体をぼかします。実績はあなたの行為なので、「担当しました」「達成しました」と自分を主語にした通常の丁寧語で書き切ってください。読み手への敬意は書類の丁寧な仕上がりで示すもので、文末の膨らみで示すものではありません。

同様に、応募先企業への過剰な敬語も不要です。志望動機で社名に触れるときの「貴社」は使いますが、「貴社におかれましては」のような手紙の常套句は職務経歴書には持ち込みません。敬語で埋まった1行より、数字が一つ入った1行のほうが、読み手への実質的な敬意になります。

文体より効く「読みやすさ」の3要素

文体の統一は最低条件で、そこから先の読みやすさは別の要素で決まります。採用側の目線で効果が大きい順に3つ挙げます。

①冒頭の職務要約。書類の最初の3〜5行で経歴の全体像を伝えられているか。読み手はここで「読む価値があるか」を判断します。②実績の数字。「売上に貢献」ではなく「前年比112%を達成」。文体がどちらであっても、数字のない実績は流し読みされます。③1項目の長さ。1つの職歴・1つの箇条書きが5行を超えると読み飛ばされます。長くなったら分割するか削る。箇条書きと文章の配分は箇条書きと文章の使い分けで詳しく解説しています。

文体で30分悩むより、この3要素に30分使うほうが、書類は確実に強くなります。福岡の転職市場は職種によって書類選考の通過難度が大きく違うので、応募先の競争環境を福岡の求人データで確かめたうえで、通過率を上げたい書類ほど中身の編集に時間を配分してください。

よくある質問

Q. 「ですます」と「である」が混ざっていたら、それだけで落ちますか?

それだけで落ちることは考えにくいですが、印象は確実に下がります。特に事務職・管理部門など文書作成が業務に含まれる職種では、「提出書類を見直さない人」という評価は実害になります。書き終えたら文末だけを縦に読む見直しを一度入れてください。数分で消せるリスクです。

Q. 体言止めは失礼になりませんか?

なりません。職務経歴書はプレゼン資料であって手紙ではないので、簡潔さが礼儀です。ただし志望動機や自己PRの文章部分まですべて体言止めにすると、ぶっきらぼうな読み味になります。体言止めは箇条書きと見出しに使い、文章部分はである調かですます調で書く——この役割分担が読みやすい形です。

Q. 自己PRだけ「ですます」にするのはありですか?

ありです。職歴パートは事実の列挙なのでである調・体言止め、自己PRは読み手に語りかける文章なのでですます調、という切り替えは、セクションごとの役割が明確なら不統一には見えません。ただし同じセクションの中で混ぜるのは避けてください。統一の単位は「セクション」と考えると整理しやすいです。

Q. 転職サイトのテンプレートが「ですます」なのですが、直すべきですか?

直す必要はありません。テンプレートの文体のまま、統一だけ守って書けば十分です。文体を書き直す時間があるなら、テンプレートの例文を自分の実績の数字に差し替える作業に使ってください。テンプレート由来の書類で目立つのは、文体ではなく「例文がそのまま残っていること」です。

Q. 英文レジュメも同じ考え方ですか?

英文レジュメは別のルールで動きます。主語の「I」を省略し、動詞の原形または過去形で始める(Managed a team of 5 など)のが標準で、日本語の文体論はそのまま持ち込めません。外資系に応募する場合は英文レジュメの作法を別途確認してください。

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