自分の市場価値の調べ方。年収査定サービスの使い方

「いまの自分は、外に出たらいくらで評価されるのか」。転職するかどうかに関係なく、これを知らないまま働き続けるのは不安です。かといって、診断サービスに出てくる年収額を、どこまで信じていいのかも分からない——。
結論から言うと、市場価値は「求人の実数」と「実際に出たオファー」でしか正確には測れません。診断サービスの推定額は入口としては有用ですが、それ自体は取引の成立を意味しません。この記事では、無料でできる精度の高い実測方法を4つ挙げ、測った結果の使い方まで整理します。
- 診断サービスの数字は、どこまで信用できるか
- 無料でできる実測——4つの方法
- 福岡という条件を織り込む
- 測った結果の使い方
- 定期的に測る
- よくある質問
- 測ることは、動くこととは違う
診断サービスの数字は、どこまで信用できるか
年収査定・市場価値診断の類は、経歴データと転職実績の統計から推定額を出す仕組みです。傾向をつかむ入口としては有効ですが、限界があります。
①統計は全国平均に寄る。福岡と東京では同職種でも水準が違います(福岡の平均年収)。地域を反映していない推定は高めに出ます。②現在の需給を反映していない。求人が減っている職種でも、過去データからは高く出ます。③個別の条件が入らない。同じ職種でも、扱った規模・使えるツール・マネジメント経験で大きく変わります。
そして最大の限界は、推定額は「オファー」ではないこと。実際にその金額を出す会社が具体的に存在するかどうかは、別の話です。
市場価値とは能力の評価ではなく、いま実際にいくらで買い手がつくか。だから統計ではなく、実物の求人とオファーで測る。
無料でできる実測——4つの方法
①求人の実数を数える。自分の職種・経験年数・勤務地(福岡)で検索し、提示年収のレンジと件数を見ます。件数が少なければ、金額が高くても取引は成立しにくい。「いくらか」と同時に「何件あるか」を見るのが要点です。
②スカウトの反応を見る。職務経歴を登録して、どの業界から、どの職種で、どのくらいの提示額で連絡が来るか。登録は転職の意思表示ではありません。反応そのものが情報です。
③カジュアル面談を受ける。志望動機の要らない情報交換の場。採用側が自分の経歴のどこに関心を持つかが分かるのが最大の収穫です。関心を持たれた部分が、市場から見た強みです。
④選考を受けて、オファーを取る。もっとも精度が高い。内定は辞退できます。取ったオファーは、そのまま現職での交渉材料にもなります。
①②は今日から、③は数週間、④は数ヶ月。精度と時間は比例します。
福岡という条件を織り込む
福岡で働くなら、全国平均の推定額はそのまま使えません。
福岡の賃金水準は東京圏より低い傾向がありますが、同じ福岡の中でも業種・企業規模による差が大きい(福岡の給料が安い理由・福岡の高収入求人)。実測の際は、福岡の求人だけで数えることが重要です。
また、リモート勤務可の求人であれば、福岡に住みながら首都圏水準の給与を得られる可能性があります(リモートワークで福岡移住)。この場合、比較すべき相場が変わります。
福岡の水準は賃金チェッカーや業種別年収マップで確認できます。自分の現在地を、まず数字の上に置いてください。
測った結果の使い方
実測すると、3つのどれかになります。
①現職のほうが高い。この場合、転職は年収面では不利です。その事実自体が、現職に残る根拠になります。不満があるなら、年収以外の要素(時間・裁量・人間関係)で交渉するほうが筋が通ります。
②相場並み。年収を上げるには、職種か業界か役割を変える必要があります。同じことを別の会社でやっても大きくは変わりません。
③現職のほうが低い。転職で改善する余地があります。ただし、上がるのは提示額の分だけで、手取りや実質(残業代の有無、賞与の構成、退職金)まで含めて比較してください(年収交渉)。
どの結果でも収穫があります。①でも、不安の正体が消える。②③なら、次の一手が決まる。
定期的に測る
市場価値は固定値ではなく、需給で動きます。同じ経歴でも、業界の状況で数字は変わる。だから、転職する気がなくても年1回は測っておくと、判断の基準が保てます。
これは「いつでも辞められる状態」を作る作業でもあります。選択肢を持っている状態は、それ自体が働きやすさに効きます(同期が先に出世して焦る)。
よくある質問
Q. 登録すると転職を勧められませんか?
エージェント経由では連絡が来ます。転職時期は未定と伝えれば問題ありません。情報収集目的の登録は普通のことです。
Q. 現職にバレませんか?
多くのサービスに、特定の企業に経歴を非公開にする設定があります(在職中の転職活動)。
Q. 経験が浅くても測れますか?
測れます。若年層は求人数が多いため、むしろ反応が得やすい傾向があります。
Q. 市場価値が低かったら落ち込みませんか?
数字が低い場合、それは能力ではなく職種の需給や、経験の見せ方の問題であることが多い。見せ方は変えられます(自分の強みがわからない・職務経歴書の書き方)。
測ることは、動くこととは違う
市場価値を測ると、転職しなければならない気がしてきますが、そんなことはありません。測る目的は、選択肢の存在を確認することです。残るにしても、その判断が「他に行き場がないから」ではなく「比べたうえで選んだ」に変わる——この差は、日々の働き方に効きます。
自分の場合、どこから測ればいいか。転職ありきではない立場で、無料で相談に乗ります。福岡の相場を一緒に見るところからで構いません。

「辞めるべきか、残るべきか。その手前の整理から一緒にやります。」
寺木に相談する(無料)