在職中の履歴書の書き方。「現在に至る」と退職予定日の扱い

働きながら転職活動を始めて、履歴書の職歴欄を書いていく。今の会社の入社までは書けた。でも、その次の行で手が止まる——まだ辞めていないのに何と書けばいいのか。退職日が決まっていたら書くべきなのか。入社できる時期はどこに書くのか。在職中の応募書類には、在職中ならではの迷いどころがいくつかあります。
結論から言うと、退職日が決まっていなければ職歴欄は「現在に至る」で締め、会社と合意した退職日があれば「20XX年X月 退職予定」と書きます。入社できる時期と、在職中で連絡や面接の時間に制約があることは、本人希望欄に一行ずつ書けば足ります。在職中であること自体は不利な情報ではありません。書き方の型を押さえれば、迷う箇所はほぼなくなります。
- 職歴欄の締め方は2パターン
- 「退職予定」を書いてよいタイミング
- 入社可能時期の書き方
- 本人希望欄での伝え方
- 在職中であることを書類でどう扱うか
- よくある質問
- 書き始める前に決めておく3つのこと
職歴欄の締め方は2パターン
在職中の職歴欄は、退職日が確定しているかどうかで締め方が分かれます。まず、まだ退職を申し出ていない、または退職日が決まっていない場合です。
| 年 | 月 | 学歴・職歴 |
|---|---|---|
| 20XX | 4 | 株式会社◯◯ 入社 |
| 法人営業部に配属。中小企業向けの法人営業を担当 | ||
| 20XX | 4 | 同社 営業企画課に異動 |
| 現在に至る | ||
| 以上 |
最後の職歴の次の行に「現在に至る」と書き、さらに次の行の右端に「以上」と書くのが一般的な形です。「現在に至る」は、書類を提出する時点でその会社に在籍していることを示す定型です。退職年月を書く欄を空けたままにするより、この一行で在職中であることがはっきり伝わります。
次に、退職を申し出て、会社と退職日を合意している場合です。
| 年 | 月 | 学歴・職歴 |
|---|---|---|
| 20XX | 4 | 株式会社◯◯ 入社 |
| 法人営業部に配属。中小企業向けの法人営業を担当 | ||
| 20XX | 12 | 一身上の都合により退職予定 |
| 以上 |
退職予定の行は「一身上の都合により20XX年12月31日退職予定」のように日付まで入れても構いません。日付まで書くと、読み手は入社日の見通しを書類の段階で立てられます。「現在に至る(20XX年12月31日退職予定)」と1行にまとめる書き方もあり、どちらでも誤りではありません。
在職中の職歴欄は「退職日が未定なら『現在に至る』、合意済みなら『退職予定』」。最後に右寄せで「以上」。入社可能時期と在職中ゆえの制約は本人希望欄に書く。在職中であることは隠す情報ではなく、書類で先に伝えておく前提条件。
「退職予定」を書いてよいタイミング
迷いやすいのは、「そろそろ辞めるつもり」の段階で退職予定と書いてよいかです。目安は、退職日が会社との間で確定しているかどうかです。退職を申し出ていない段階や、申し出たが日付の調整中という段階なら、「現在に至る」で締めておくのが無難です。
理由は、書類に書いた日付が、選考の過程で入社日の前提として扱われるからです。予定日を書いて応募し、その後の退職交渉で日付がずれると、内定後の入社日調整で食い違いが生じます。まだ動く日付は職歴欄に書かず、本人希望欄の入社可能時期で幅をもって伝えるほうが、後から修正が利きます。
契約社員などで、契約期間の満了で退職する予定が決まっている場合は「20XX年3月 契約期間満了により退職予定」と書けます。退職理由の定型の使い分けは履歴書の退職理由の書き分けで詳しく整理しています。
入社可能時期の書き方
在職中の応募で、採用側がもっとも知りたいことの一つが「いつから来られるか」です。これは本人希望欄に書きます。書き方は2通りあります。
時期で書く——「入社可能時期:20XX年1月1日以降」。退職日が決まっている人はこの書き方が明快です。退職日の翌日以降を入社可能日とするのが基本です。
期間で書く——「入社可能時期:内定後2か月程度(現職の引き継ぎのため)」。退職をまだ申し出ていない人はこちらが使いやすい書き方です。括弧書きで理由を一言添えると、期間の長さに納得してもらいやすくなります。
期間の見積もりは、自社の就業規則にある退職の申し出期限、引き継ぎにかかる期間、有給休暇の残日数を足して考えます。民法上、期間の定めのない雇用は退職の申し入れから2週間で終了しますが、実務では1〜2か月を見込む人が多く、引き継ぎの重い職種ではもう少し長くなります。逆算の手順は退職は何ヶ月前に言うべきかに、有給休暇をまとめて取る段取りは退職前の有給消化にまとめています。
注意したいのは、希望を通しやすく見せようとして、無理な短さで書くことです。内定後に「やはり引き継ぎでもう1か月必要です」と延ばすほうが、最初から現実的な期間を書くより印象を損ねます。採用側も在職者の応募には一定の準備期間を想定しているので、根拠のある期間を書けば問題になることは多くありません。
本人希望欄での伝え方
本人希望欄は、条件の要望を並べる場所というより、選考を進めるうえで相手が知っておくべき前提を書く場所です。在職中の人が書いておくと親切なのは、入社可能時期のほかに、連絡方法と面接日程の2点です。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 入社可能時期 | 内定後2か月程度で入社可能です(現職の引き継ぎのため) |
| 連絡方法 | 在職中のため、平日日中はメールでのご連絡をお願いいたします。お電話は18時以降であれば対応できます |
| 面接日程 | 平日18時以降、または土曜日を希望いたします。オンライン面接にも対応できます |
| 勤務条件 | 貴社規定に従います |
実際の欄には、これを数行の文章にまとめて書きます。勤務地や職種に譲れない条件がある場合はそれも書きますが、給与などの条件交渉は面接以降の場に回すほうが自然です。要望を細かく並べすぎると、柔軟性に欠ける印象を与えることがあります。
面接日程の希望は、書いておけば選考側が最初から調整の前提にしてくれます。ただし「平日日中は一切不可」と言い切るより、「調整が必要なため、早めにご相談いただけると助かります」と含みを残すほうが、日程が合わずに機会を逃す事態を避けられます。オンライン面接への対応を書き添えておくのも有効です。
在職中であることを書類でどう扱うか
在職中であることは、選考上のマイナスではありません。現職で働きながら次を探すのは転職活動のごく一般的な形で、採用側もそれを前提に書類を読みます。むしろ、職歴に途切れがなく現在も実務に就いていることは、安定して働ける人だという判断材料になります。
書類で気をつけたいのは、在職中という事実の書き方より、現職に影響を出さない作り方です。連絡先は個人の携帯電話と個人のメールアドレスにし、会社のアドレスは使わないこと。会社のパソコンやプリンターで書類を作らないこと。職務経歴書で現職の取引先名や社外秘の数字を具体的に書きすぎないこと。転職活動が現職に知られる経路とその防ぎ方は在職中の転職活動がバレる経路で解説しています。
職務経歴書の側では、現職の在籍期間を「20XX年4月〜現在」と書きます。履歴書の「現在に至る」と対応させておけば、2つの書類の整合がとれます。役割分担の考え方は履歴書と職務経歴書の違いを参照してください。
履歴書の様式に沿って入力したい場合は、履歴書・職務経歴書 作成ツールが使えます。職歴の行を順に入れていけば、「現在に至る」と「以上」の位置も含めて履歴書の形に整います。
よくある質問
Q. 「現在に至る」と「以上」は両方書く必要がありますか?
両方書くのが一般的です。「現在に至る」は最後の職歴が今も続いていることを示し、「以上」は職歴欄の記載がここで終わることを示す、役割の違う2行です。「以上」は「現在に至る」の次の行に右寄せで書きます。
Q. 有給休暇を消化している期間は、在職中として書けばよいですか?
退職日までは在籍しているので、在職中として扱います。退職日が決まっているはずなので、「20XX年X月X日 退職予定」と書き、本人希望欄の入社可能時期は退職日の翌日以降にします。消化中であることを書き添えておくと、面接日程の融通が利くことも伝わります。
Q. 応募した後で退職予定日が変わりました。どうすればいいですか?
提出済みの書類を差し替える必要は通常ありません。面接や内定後の連絡の際に、変更後の日付を早めに口頭やメールで伝えてください。入社日の調整に関わる情報なので、黙っておくより先に伝えるほうが信頼を損ねません。
Q. 退職を申し出る前に応募しても問題ありませんか?
問題ありません。在職中の転職活動では、内定を得てから退職を申し出る順番が一般的です。その場合は職歴欄を「現在に至る」で締め、本人希望欄に「内定後2か月程度」のように期間で入社可能時期を書けば十分です。
Q. 在職中だと面接の日程が限られ、選考で不利になりませんか?
日程の制約だけで不利になることは多くありません。本人希望欄で先に伝えておけば、採用側は夕方やオンラインの枠で調整してくれることがよくあります。不利になりやすいのは、制約を伝えずに日程変更を重ねるほうです。
書き始める前に決めておく3つのこと
在職中の履歴書は、書き方の型より先に、自分の前提を決めておくと迷わずに書けます。
1つ目は、退職日が確定しているかどうかです。確定していれば職歴欄は「退職予定」、未定なら「現在に至る」。これで締め方が決まります。
2つ目は、入社可能時期の見積もりです。就業規則の申し出期限、引き継ぎの期間、有給休暇の残日数を確認し、根拠のある期間を出しておきます。
3つ目は、連絡と面接の条件です。連絡が取れる時間帯、面接に出られる曜日や時間、オンラインに対応できるかを整理しておけば、本人希望欄は数行で書けます。
この3つが決まれば、在職中の履歴書で迷う箇所はほとんど残りません。ただ、退職時期の見積もりや、今の会社をいつ辞めるかの判断は、ひとりで考えていると決めきれないことがあります。そういうときは、第三者と一緒に条件を整理してみるのも一つの方法です。
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