会社員の副業の始め方。最初の月1万円までの手順

副業を始めたい会社員は多いのに、実際に始める人は一部にとどまります。理由ははっきりしていて、「何から手をつければいいか」の順番が分からないからです。情報はあふれているのに、就業規則・税金・案件の取り方がバラバラに語られ、全体の地図がない。
この記事は、その地図です。会社員が副業をゼロから始めて、最初の月1万円に到達するまでの手順を、順番どおりに並べます。月1万円という目標額は控えめに見えますが、ここには理由があります。ゼロ→1万円の壁が、副業のすべての壁の中で一番厚いからです。
- 手順1: 就業規則を確認する(30分)
- 手順2: 「何を売るか」は新スキルより持ちものから(1週間)
- 手順3: 最初の1件を取る(2〜4週間)
- 手順4: 税金の基礎だけ押さえる(1時間)
- 月1万円の壁と、その先
- よくある質問
- 始める前の1ヶ月より、始めてからの1ヶ月
手順1: 就業規則を確認する(30分)
最初にやるのは案件探しではなく、自社の就業規則の確認です。確認ポイントは3つ。副業が「禁止」か「許可制」か「自由」か。許可制なら申請の手続き。禁止の場合、何を禁止しているか(兼業全般か、同業への従事か)。
政府が副業解禁を推進して以降、許可制・届出制に移行した会社が主流になりつつありますが、規定は会社ごとに違います。規則を確認せずに始めて、後から発覚してこじれるのが一番の悪手です。禁止規定がある場合の法的な効力や、会社に知られる経路については副業が会社にバレる仕組みで詳しく解説しています。
なお、公務員は法律上の制限があり別枠です。この記事は民間の会社員を前提にします。
手順2: 「何を売るか」は新スキルより持ちものから(1週間)
副業でつまずく典型が、「まず新しいスキルを学んでから」と考えて学習が目的化するパターンです。プログラミングや動画編集を数ヶ月学んでから市場に出る道は、実は遠回りになりがちです。
早いのは、いま持っているものから売ること。棚卸しの観点は3つあります。本業のスキルの周辺(経理なら記帳代行や確定申告の手伝い、営業なら営業資料の添削、人事なら職務経歴書の添削)。人に頼まれた経験(Excelの整理、文章の校正、写真撮影——頼まれごとは実証済みの需要です)。本業の業界知識(業界の内側にいる人しか書けない解説は、それ自体が商品になります)。
この考え方は起業アイデアの掘り方で書いた「頼まれごとの棚卸し」と同じ原理です。売りものが先、スキル学習は売りながらで間に合います。
副業の順番は「就業規則→持ちものの棚卸し→小さく1件→税金の基礎」。ゼロ→1万円が最大の壁で、ここを越える鍵は新スキルの学習ではなく、いま持っているものを安く速く売ること。
手順3: 最初の1件を取る(2〜4週間)
売りものが決まったら、最初の1件です。経路は大きく3つあります。
知人経由。一番成約が早く、単価交渉の消耗もない経路です。「◯◯を始めたので、必要な人がいたら紹介してほしい」と周囲に伝えるだけで、最初の1件はかなりの確率で生まれます。スキルマーケット・クラウドソーシング。プラットフォームは手数料と価格競争がある一方、実績ゼロから受注の練習をする場としては優秀です。最初の数件は「実績と評価を買う」つもりで、相場より安く受けて構いません。SNS・発信経由。時間はかかりますが、蓄積型の経路です。最初の1件には向きませんが、並行して種をまく価値はあります。
最初の1件の目的は利益ではなく、「お金をもらって納品する」一連の流れを経験することです。要件のすり合わせ、納期、請求——この流れを一度回すと、2件目からの心理的ハードルが激減します。
手順4: 税金の基礎だけ押さえる(1時間)
稼ぎ始める前に、最低限の税知識を2つだけ。
①年間の副業所得(収入−経費)が20万円を超えたら所得税の確定申告が必要。よく誤解されますが、20万円以下でも住民税の申告は別途必要です。②帳簿は最初からつける。売上と経費をスプレッドシートに記録するだけで十分です。後からまとめてやろうとすると必ず破綻します。
月1万円の段階では税金は難しく考えなくて大丈夫ですが、この2点だけは最初から運用に組み込んでください。規模が育ってからの詳細(開業届・経費の範囲)は、その時に調べれば間に合います。
月1万円の壁と、その先
ゼロ→月1万円には、平均して2〜3ヶ月かかると考えてください。この期間の時給換算は最低賃金を下回ることも普通で、ここで「割に合わない」とやめる人が大半です。
でも、月1万円の意味は金額ではありません。「会社の給与以外に、自力でお金を生む回路が自分にある」という実証です。この回路は、単価を上げ、リピートを作り、紹介が回り始めると非線形に育ちます。そして育った先には、収入の上乗せにとどまらず、副業から独立するタイミングを測る実測データや、会社員のままの事業検証という選択肢が開けます。
福岡は副業の実践者コミュニティや相談の場が近い街です(福岡の副業コミュニティ)。一人で悩む時間を、人に会って短縮できる環境は使ったほうが得です。
よくある質問
Q. 副業に使える時間が週数時間しかありません。
週3〜5時間でも、納期に余裕のある業務(ライティング・資料作成・データ整理など)なら十分成立します。大事なのは時間の長さより「毎週同じ時間帯を副業に固定する」ことです。すきま時間でやろうとすると、永遠に始まりません。
Q. 何のスキルもない気がします。
「スキルがない」と感じる人の大半は、日常業務でやっていることを商品として認識していないだけです。Excelが人並みに使える、電話応対が丁寧、文章が書ける——市場に出せば値がつくものは、棚卸しすると必ず出てきます。
Q. 顔や名前を出さずにできますか?
できます。クラウドソーシングは屋号やニックネームでの活動が一般的で、納品物に本名が出ない業務も多い。会社バレの経路は名前よりも住民税なので、そちらの対策のほうが重要です(バレる仕組みの解説)。
Q. 会社が副業禁止です。諦めるしかないですか?
まず禁止の範囲を正確に確認してください(資産運用や小規模な講師業は対象外の場合もあります)。全面禁止の場合、隠れてやるリスクは小さくありません。会社に交渉する、副業可の会社への転職を視野に入れる、当面は資産運用など規則の対象外で備える——が現実的な選択肢です。
始める前の1ヶ月より、始めてからの1ヶ月
副業の始め方は、突き詰めれば「規則を確認し、持ちものを棚卸しし、安く速く1件売る」の3つです。準備に1ヶ月かけるより、小さく始めて1ヶ月走るほうが、確実に多くを学べます。
自分の持ちもので何が売れるか、どの経路が向いているか。副業の棚卸しは、無料のキャリア相談でも一緒にできます。将来の独立まで見据えた設計なら、なおさら一度話しに来てください。

「起業は特別な人のものではありません。準備の仕方から話しましょう。」
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